「3カ月の居住で住民投票権」武蔵野市の条例案否決から見えた日本の低レベルな"多様性"

「3カ月の居住で住民投票権」武蔵野市の条例案否決から見えた日本の低レベルな"多様性"

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/twinsterphoto

■日本の閉鎖性を感じた武蔵野市の条例案の否決

2021年12月21日、東京都武蔵野市が提出した外国人の住民投票を認める条例案が、市議会で否決された。この条例案は、投票資格を3カ月以上市内に住所がある18歳以上とし、実質的に外国籍の住民も日本国籍の住民と同じ要件で参加できるとするものだった。

ちょうど12月9日には、米・ニューヨーク市議会が30日以上市内に住所がある永住者と労働許可保持者に30日の居住を条件として外国人地方選挙権を認めたことがニュースとなった。それと比べると、同21日に武蔵野市が住民投票条例を否決したことは、改めて日本の閉鎖性や多様性の乏しさが印象づけられる出来事であった。

ニューヨークの事例は、30日と在留期間は短いものの、永住許可や労働許可を認められた者に限定する点で、在留資格類似の要件を定めている。これに対し、武蔵野市の場合は、3カ月という住所要件を基に広く外国人住民に認めるものである。地方選挙権と住民投票権の違いはあるものの、制度設計が甘かったので批判された。とはいえ、「外国人だから」という理由で一律に地方選挙権や住民投票権を認めないのは、多様性を認め合う共生社会を目指す観点からは不合理である。

外国人住民に住民投票権を認めることは、日本の憲法上も法律上も問題はない。1995年の最高裁判決にあるように、地方選挙権を「永住者等」に認めることは憲法上可能だが、法改正が必要である。

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