"口を割らない社員"を会社は最後まで守る

"口を割らない社員"を会社は最後まで守る

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Loco3)

大麻やLSDの使用歴が30年の50代男性会社員。長年、常習・乱用していたこと判明したが、勤務先の上司はクビを言い渡さないどころか、保釈金を負担し、雇用も続けると裁判で証言した。その様子を傍聴したライターの北尾トロ氏は「被告は取り調べでも裁判でも、誰から購入したかなどについて黙秘を貫きました。2年6カ月の有罪判決でしたが、なぜか人としての信頼度が高く感じられた」という――。■「即日判決」の裁判には思いがけないドラマがある

裁判所には正月明けの1月前半、年度切り替えの3月末から4月前半、8月のお盆前後など、年に何度か公判数が激減する時期がある。なかでも独特の雰囲気なのは年末。大きな事件はわずかになり、窃盗などの小事件がずらりと並ぶ。不法滞在や薬物などで捕まった外国人の裁判も多い。全面的に罪を認めたものについては即日判決(初公判の日に一気に結審し、判決まで行うこと)になることもめずらしくない。

他の事情もあるのだろうが、僕にはこれがクリスマスや正月を娑婆で迎えるための、裁判所なりの配慮に思える。執行猶予付の判決になることが確実な被告人に、年明けまで持ち越さず判決を下せば、拘置所で寂しいクリスマスや正月を迎えなくて済むからだ。

裁判所にとっても、新たな年を迎える前に一定数の判決を下すのは、意味のあることだろう。僕は、被告人にとっても裁判所にとってもハッピーといえる即日判決を聞くのが好きだ。

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