秘密警察と検察のトップを突如解任…佐藤優「ゼレンスキー大統領を疑心暗鬼に陥れたロシアの狡猾な心理戦」
2022年08月06日 12時15分 PRESIDENT Online
7月17日、ウクライナのゼレンスキー大統領は保安局長官(秘密警察長官)と検事総長という高官2人を「ロシアに協力する反逆行為が多数見つかった」という理由で解任した。一人はゼレンスキー大統領の幼なじみ、もう一人はロシアの戦争犯罪を捜査してきた女性だった。解任の背景には何があるのか。元外交官で作家の佐藤優さんが解説する――。(連載第18回)■「秘密警察と検察のトップが解任」の衝撃
7月28日は、ゼレンスキー大統領が2021年に制定した祝日「ウクライナの国家の日」でした。記念の動画メッセージで、ゼレンスキー大統領はこう演説しました。
「私たちは、戦うために生き続けるし、生きるために戦い続ける。私たちは、自らの家から最後の占領者を追い出すまで屈しないし、ウクライナの大地の最後の1メートルを解放するまで止まらない。最後の村、最後の家、最後の井戸、最後のサクラ、最後のヤナギが解放されるまで、私たちが気を休めることはない」(ウクライナ唯一の国営通信社「ウクルインフォルム通信」の日本語版より)ゼレンスキー大統領は、国民の戦意を鼓舞し続けています。しかし、その足元を支える政権中枢が混乱し始めています。7月18日のBBCは、次のように報じています。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は17日夜、保安局(SBU)長官(秘密警察長官)と検事総長を解任したと発表した。
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