「オーガニック」に釣られてはいけない...茨城の農園があえて「有機野菜」をうたわない理由

「オーガニック」に釣られてはいけない...茨城の農園があえて「有機野菜」をうたわない理由

写真=著者提供

農業で儲けるにはどうすればいいのか。茨城県で「久松農園」を営む久松達央さんは「実力以上に商品を良く見せようとしてはいけない。悪い部分をさらけ出して、それでも気に入って購入してくれる人を根気強く探すことが一番の近道だ」という――。※本稿は、久松達央『農家はもっと減っていい』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

■「色大根のステーキ」は美味しいけれど、私は食べない

ビジネスは、自分がやりたいことと時代状況の接点にしか生まれません。時代状況とは、ビジネスを形にするための様々な環境のこと。「やりたいこと」が自分の中にあるのに対して、「時代状況」は自分の外にあり、コントロールすることはできません。中でも、思うようにならない最たるものが顧客です。

久松農園では、多くの人に売れそうなもの、をつくるのではなく、まず自分たちが食べたい野菜をつくり、それをお客さんにおすそわけする、という順番でつくるものを選びます。

大根を例に取ると、最近では紫や緑色などの品種もポピュラーになり、マルシェなどではカラフルな大根を目にする機会も増えました。紫大根の生産者に美味しい食べ方を尋ねると、「ステーキ」との答え。大根ステーキは確かに美味しいです、たまにレストランで食べれば。一方、自分は家では大根をステーキにする習慣がありません。

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