胡桃オイルが一滴で"王様の食事"に変える

胡桃オイルが一滴で"王様の食事"に変える

400年近く続く胡桃オイル工房はブルボン王朝時代のままの趣。地元名産の胡桃を使い昔ながらの技法を守って、香り高いオイルをつくる。

■ルイ14世時代から続くフランスの胡桃工房

フランスの小さな村のいい匂いのする花や草木にあふれた家々の一角に、その美しい工房はある。

開け放たれた扉の奥には、直径2mもあるどっしりとした石臼があり、巨大な石のローラーがゴリッゴリッと鈍い音を立てて、ゆっくりと回っていた。壁に掛かった角が取れて丸くなった櫂棒(かいぼう)、飴色に染まった箒(ほうき)、赤々と燃える薪ストーブの上の艶やかな鋳物の鍋。それらすべてが長い歳月に磨かれて、やわらかな陽の光を浴びて輝いている。さっきから鼻をくすぐる深く芳しい香りの正体は、石臼の中で圧砕されているおびただしい量の胡桃の実だ。

フランス・ロワール地方、ワインで名高いサンセールに近いジャローニュ村は、昔から胡桃の名産地として知られている。フランス人にとって胡桃オイルは、香り高いエッセンシャルオイル。その一滴で葉っぱのサラダが、川魚が、王様の食事に変わる。

「この辺り一帯の畑や庭でとれた胡桃をいろいろブレンドすることで、オイルの味わいに深みが加わり、個性が生まれます」

そう話すのは2014年の秋に工房を引き継いだヨアヒム・ザイツさん。ルイ14世治世の頃から、この村で代々搾油業を営んできたミルリュウ家の当主、ガイ・ミルリュウ氏と妹のアイリーンさんからここを譲り受け、ガイ氏の指導のもとに昔ながらの上質なオイルづくりに精を出しているのだ。


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▼胡桃オイルとは?
胡桃オイルはその名の通り、胡桃(ウォールナッツ)の実を圧搾してつくる油のこと。

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