棋士 藤井聡太を生んだ「黒魔術」の正体

棋士 藤井聡太を生んだ「黒魔術」の正体

山本一成『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』(ダイヤモンド社)

公式戦29連勝という新記録をつくった将棋の最年少プロ棋士・藤井聡太四段。その強さの源は「人工知能(AI)」を研究に取り入れたからだといわれる。佐藤天彦名人に2連勝した将棋ソフト「ポナンザ」の開発者・山本一成氏は「ポナンザが強くなる理由はもはや人間には説明できない」と語る。開発者たちは仕組みがわからないことから、人工知能を「黒魔術」と呼ぶことがあるという。これから人間は「黒魔術」を使いこなせるのだろうか――。※以下は山本一成『人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』(ダイヤモンド社)の第2章「黒魔術とディープラーニング」からの抜粋です。

■「黒魔術」の影響力が強くなってきている

理由がわからないのに強くなる。人工知能という現代科学の最前線で、なぜそんなことが起きているのか。これからはその説明をしていきましょう。

突然ですが、皆さんは「黒魔術」という言葉をご存知でしょうか。おとぎ話やファンタジーの世界で、魔女が不思議な薬を作るときに使われるような魔法のことです。ぐつぐつと煮えたつ大鍋の前に立ち、意味不明な呪文とともに材料を投げ入れると、煙とともに目的の妙薬ができる……そんなシーンをアニメ作品で観たことがある人も多いと思います。

驚かれるかもしれませんが、この「黒魔術」は機械学習の世界でもスラングとして定着しており、どうやって生まれたのか、あるいはなぜ効果が出るのかわからない技術の総称となっているのです。

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