鶏肉を熟成させると、なぜウマくなるのか

鶏肉を熟成させると、なぜウマくなるのか

(上)手前はフレッシュな状態、奥はドライエイジング15日目のささみ。わかりにくいが熟成したほうがしっとりと落ち着いた艶が。(下)ドライエイジングで15日間の熟成をかけた丸鶏。みずみずしいハリはなくなりやや硬くなるが、フレッシュな鶏にはない旨味がぎっしり

■「鶏肉の熟成」3つの疑問

▼Q1. 熟成させるとなぜおいしくなるの?

鶏肉は鮮度がすべて! そう信じて疑わない人は多い。実際は、処理したての鶏肉は味や香りに乏しく、お世辞にもおいしいとはいえない。死後硬直が始まると肉は硬くなり、保水性が低下して歯ざわりもパサパサに。しかし、時間とともに再び肉質は柔らかくなり、旨味を増してくる。これは、酵素の働きによってタンパク質の分解が進み、アミノ酸が形成される“自己消化”と呼ばれる作用によるもの。筋肉から食肉へ、ゆっくりと変化を遂げるこの過程を“熟成”と呼ぶ。

鶏は死後硬直の開始から終了までのスピードが速く、そのぶん熟成に要する時間が豚や牛に比べて短い。一般的なブロイラーでは死後24時間が熟成のピークと考えられているが、筋肉の細胞壁が強固な地鶏の場合は、自己消化もよりゆっくりと進む。旨味成分のグルタミン酸については、7日後まで増え続けるという研究報告も。「鶏は熟成させてもウマい!」が新たな常識になる日も近い!?

▼Q2. どうして普通の鶏では熟成できないの?

Q1の定義からいえば、普通の鶏でも熟成はできる。ただし、豚や牛のような長期熟成ができるかといえば、常識的には「NO」だ。その大きな理由の一つに、“菌”の存在がある。

牛や豚に比べて体の小さい鶏は、菌汚染を受けやすい生体といえる。食中毒の原因となるカンピロバクターや病原性のある大腸菌は、糞便に混じって腸内に棲息。

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