なぜ「高齢者」ほどがんになりやすいのか

なぜ「高齢者」ほどがんになりやすいのか

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn)

日本では2人に1人ががんにかかる。だが、その病態には謎が多い。なぜがんはできるのか、なぜ高齢者ほど発症しやすいのか。京都新聞の広瀬一隆記者が、京都大学医学研究科の小川誠司教授に聞いた――。※本稿は、広瀬一隆『京都大とノーベル賞 本庶佑と伝説の研究室』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。

■「がんとは何か」に答えられるか

現代日本では、2人に1人ががんにかかるといわれる。がんで亡くなった友達や親族のいる人も多いことだろう。悪性新生物、悪性腫瘍……がんにはいろいろな別名がある。

「悪性」という言葉からは、命にかかわる病気であるという印象は伝わってくるが、がんとはなにか、とあらためて問われると答えに詰まる人は多いのではないだろうか。

自分のことを思い返しても、医学部の3年生だったころに授業で「悪性腫瘍」という言葉を聞いて、それががんと同じ意味なのかわからなかった記憶がある。これは勉強をさぼってばかりいた私だけにしかあてはまらない経験かもしれないが……。

ともかく、がんという病気が理解しづらいのは確かだ。脳や皮膚、消化管に骨と、体中のあらゆるところにできる。原因も感染症から食習慣、喫煙とさまざまある。全体像をつかむためにはどうすればいいのだろうか。

■異常に増殖してできた細胞の塊が「腫瘍」

まずは「悪性腫瘍」という言葉を手がかりに考えていきたい。

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