なぜ高校生でも親の虐待には逆らえないのか

なぜ高校生でも親の虐待には逆らえないのか

※写真はイメージです(写真=iStock.com/PRImageFactory)

2004年に弁護士の坪井節子さんが仲間とともに開設した「カリヨン子どもセンター」は、家庭に問題があって逃げ場がない子どもたちを救うシェルターだ。そこにたどりつく子どもたちの姿から見える教育虐待の実態とは――。※本稿は、おおたとしまさ『ルポ 教育虐待』(ディスカヴァー携書)の一部を再編集したものです。

■シェルターにやってくる女の子たち

「カリヨン子どもセンター」にやってきたある女の子は、坪井さんに、「どうせ弁護士はたくさんお金もらっているんでしょ」と言った。坪井さんは笑いながら答えた。「何言ってるのよ。あなたたちのご飯代のために寄付を集めてくることで精いっぱい。私たちがもらえるわけないでしょ!」。

すると女の子はこう言った。「お金ももらってないのに、なんでこんな仕事しているの?」。坪井さんはまっすぐ少女の目を見て言った。「あなたの命が大事だから」。女の子は「うっそだ〜!」と言いながら笑った。うれしそうだった。

子どもたちはしばしカリヨンで傷ついた羽を癒やし、巣立っていく。カリヨンに身を寄せるのは平均して約2カ月間だという。ちなみに2011年以降は、シェルターの運営に対し、厚生労働省から補助金が支払われるようになっている。

現在「子どもシェルター全国ネットワーク会議」に参加している団体は21。

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