世界企業P&Gが広告代理店を遠ざけた本当の訳

世界企業P&Gが広告代理店を遠ざけた本当の訳

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sharrocks

P&Gは1837年創業当時、ろうそくや石けんを作る地方の一企業だった。今では世界最大の消費財メーカーに成長し、その座を守り続けている。その理由は何か。経営学者のハワード・ユー教授は「P&Gは消費者心理を理解していなかったら、これらすべてのことは成し得なかっただろう」という??。※本稿は、ハワード・ユー著・東方雅美訳『LEAP ディスラプションを味方につける絶対王者の5原則』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■「獣脂ろうそく」と「まつやに石けん」が主力商品だった

ウィリアム・プロクターとジェームズ・ギャンブルは事業のパートナーであるだけでなく、義理の兄弟でもあった。長年、プロクターとギャンブルは自社の石けんとろうそくをブランド化しようなどとは考えていなかった。

石けんや衣類、ペンキや香水などの日用品は、各地域でつくられ、販売されるものだった。よろず屋でも小型店でも、行商人であっても、商売といえば対面販売だけの時代だった。P&Gは製品にシンプルな、そのものずばりの名前を付けていた。たとえば、「獣脂ろうそく」「まつやに石けん」「ヤシ石けん」「ラード油」などだ。

石けんをつくるために、ギャンブルは朝4時半に工場に来て釜を火にかける。従業員には、肉のかけらや残り物の脂肪、木の灰などを集めて来させ、まず灰汁(あく)をつくる。

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