なぜ日本人の母親の「子ども誘拐」が、世界で大きな批判の的になっているのか

なぜ日本人の母親の「子ども誘拐」が、世界で大きな批判の的になっているのか

?Rutsu-Taz

「子どもを連れて家出。子どもを父親には会わせない」――。日本ではよく聞く話ですが、こうした事例に対し、欧州などの世界の多くの国が、「国際条約違反」「子どもの権利を侵害している」と厳しい目を向けています。ベルギーに長く住むジャーナリストの佐々木田鶴さんがレポートします。■日本人の親による「子どもの連れ去り」に欧州議会が抗議

筆者の住むベルギーには、欧州連合(EU)の主要機関が集中している。その一つ、欧州議会は7月初め、日本人の親による「子どもの連れ去り」是正を求める決議を圧倒的賛成多数(賛成686、反対・棄権9)で採択した。

といわれても、なんのことやらさっぱりわからないという人もいるだろう。母親が子連れで家出したり、実家に帰ってしまったりすることは、日本では「よくあること」かもしれない。

ところが、EU市民を代表する欧州議会が抗議しているように、世界の多くの国では、それは子どもの「拉致・誘拐」と見なされ、「子どもの最善の利益」の観点から到底許されない。日本の状況は、「外国人が増えて国際結婚が珍しくない今となっても、家族のあり方や子どもの権利に関する制度や社会通念は、旧態依然で看過しがたい」とみなされているのだ。欧州議会での決議は、そうした見方を象徴しているといえるだろう。

■「子連れの家出」=「連れ去り」は国際法違反

欧州議会には、普通の市民が、直面する問題を直に持ち込み、助けを求めることのできる「請願委員会」がある。

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