俳優志望者に贈る、高橋一生にしか言えない重い言葉<鴻上尚史>

俳優志望者に贈る、高橋一生にしか言えない重い言葉<鴻上尚史>

高橋一生 【公式】僕らは奇跡でできている(@bokura_ktv)Twitterより

― 連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―

◆谷川俊太郎さんと役者という仕事と売れない戯曲と

『ローリング・ソング』の東京公演に続き、九州・久留米での公演も終え、9/14からは大阪公演です。

 という間に、新刊が三冊出ました。

 一冊目は、『そんなとき隣に詩がいます〜鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩〜』(大和書房)です。

 はい。おいらが谷川俊太郎さんの詩を選ばせてもらいました。谷川さんが70年以上書き続けた詩を全部読みました。三千以上、ありました。じつに幸福な時間でした。

 で、それを症例別に薬のように分類しました。

 もともと、『飛ぶ教室』などで有名なエーリヒ・ケストナーは、『人生処方詩集』という有名な詩集を出しています。自分の詩を、人生のさまざまな症例の治療別に分類したものです。

 で、谷川さんの詩でそれをやってみたくなりました。「さみしくてたまらなくなったら」「毎日、しかめっつらだけになったら」「愛されなかったら」こんな詩を読むといいんじゃないですか、と選んだのです。

 谷川さんは、三度結婚して、三度離婚しているのですが、ドロドロとした暗い詩は少ないです。それよりは、愛する素晴らしさとか、愛される楽しみとかのポジティブなものが多いです。

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