今回の自民党総裁選は「石破の善戦」というより「青木の勝利」だ――倉山満

今回の自民党総裁選は「石破の善戦」というより「青木の勝利」だ――倉山満

国会議員時代の参議院のドン・青木幹雄氏。はたして、この好々爺然とした面構えから、未だに日本の政局の鍵を握っているという事実を誰が想像できるだろうか……(写真/時事通信社)

― 連載「倉山満の言論ストロングスタイル」―

◆今回の総裁選は「石破の善戦」というより「青木の勝利」と評すべき

 青木幹雄、恐るべし。

 自民党総裁選挙は、誰もが予想した通り、安倍晋三首相の3選となった。対抗馬は石破茂氏ただ1人。申し訳ないが、人望がないので有名な候補だった。どんな負け方をするか、日本中が興味津々だった。

 しかも誰もが、石破氏は安倍首相の仇敵であると知っている。安倍首相は――いまだに青木氏の影響下にある参議院竹下派以外の――全派閥を結集し、本気で石破氏の政治生命を叩き潰そうと狙っていた。自民党の常識では、挑戦者と一騎打ちとなった場合、現職総理はトリプルスコアで勝つのがノルマである。石破氏は200票を切れば政治生命は終わり、250票ならば大善戦と思われていた。

 ところが、安倍首相553票に対し、石破氏は255票(無効票2票)。安倍首相はダブルスコアでしか勝てなかった。安倍陣営は、よほどの熱心な“信者”連中以外は驚愕したはずだ。「あの石破ですら、青木幹雄一人がついただけで、ここまでの大善戦をするとは」と。

 石破氏は810票中255票で31.3%。しかも党員票では45.5%も奪われてしまった。石破派20人に参議院竹下派を足しても41人。安倍支持は259人。

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