26歳の若者が見たドヤ街・西成…筑波大学卒業後、就職できず無職に

たぶん、自分の中の小さなプライドを守ろうとしているのかもしれません。店主もそれをわかっているから、気にも留めません」

◆“居場所がある”ということ

 この街が、いろんな人たちの受け皿になっていることは間違いないだろう。

「機械を操縦する資格やスキルをもっている人はいいですが、中には私のようになにもない人だっています。とはいえ、仕事がないかといえば、そうでもない。“だれでもできる仕事”だってあります。ショベルカーでやれば5分で終わる作業を、わざわざ1日かけて手作業でやります。たとえば、私はゴミを土のうに詰めるだけの仕事を腰の曲がった老人といっしょにひたすらやっていました。作業中に老人が転倒してしまいツラそうだったので、思わず休ませてあげようとしたのですが、逆に『余計なことはするな』と怒られてしまいました。ここで私が代わりにやってしまうと、彼の仕事を奪うことにもなってしまう……」

 國友氏は、複雑な気持ちだったというが、そこで「居場所があることの大切さ」を学んだという。裏を返せば、居場所を作ることでお金が稼げるとも言えるのだ。

「だから、非効率も悪くないというか……。私自身いまは若くて健康ですが、将来は年を取って老人になりますし、病気や怪我などなにがあるかわからない。世の中には、さまざまな問題を抱えて“だれでもできる仕事”しかできない人だっていることに気づいたんです。

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