ベストセラー『人新世の「資本論」』の著者が見据える、資本主義と日本の行く末

ベストセラー『人新世の「資本論」』の著者が見据える、資本主義と日本の行く末

斎藤幸平氏

気候変動危機や格差社会の根本原因は、資本主義にある―。経済思想家の斎藤幸平は、ベストセラー『人新世の「資本論」』(集英社新書)で厳しく批判し、解決策をマルクスの新解釈のなかに見出した。気鋭の俊才が見据える資本主義と日本の行く末とは?

◆コロナ禍で炙り出されたのは、資本主義が抱える矛盾だった

 経済思想家・斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』が30万部超と、経済書としては異例の大ヒットとなっている。

「人新世」とは、人類の経済活動が地球全体を覆い尽くした時代を意味する。際限なく経済成長を追求する一方で、格差の拡大に歯止めが利かない……資本主義の弊害を鋭く批判する斎藤氏には、資本主義の果実の分配を求める「投資」はどう映っているのか。そして、近年、日本でも急激に広がる格差を食い止める術はあるのか。

――コロナ禍で、テレワークできる人とできない人が生まれたのが象徴的ですが、格差の問題が過去にないほど噴出しました。

斎藤:コロナ禍で浮かび上がったのは、資本主義の2つの矛盾でした。第1の矛盾は、格差の拡大です。多くの店舗が営業自粛に追い込まれ、非正規雇用が簡単にクビを切られるなか、富裕層はますます富み、日本では上位50人の資産は昨年より47%も増え、1億円以上の資産を持つ富裕層は、昨年末に132万世帯を超えて史上最多となった。

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