川相昌弘が語る、引退試合から数週間後の巨人退団&引退撤回の真相

川相昌弘が語る、引退試合から数週間後の巨人退団&引退撤回の真相

’03年9月14日、東京ドームでの引退試合後、場内を一周しファンに挨拶する川相

大男たちが一投一打に命を懸けるグラウンド。選手、ファンを一喜一憂させる白球の行方――。そんな華々しきプロ野球の世界の裏側では、いつの時代も信念と信念がぶつかり合う瞬間があった。あの確執の真相とは? あの行動の真意とは?今週からは、犠打の世界記録をもつ川相昌弘の信念に迫る。

◆実際は誰よりも骨太で、豪胆な男

「自己犠牲」ほど尊いものはないと言われる。その精神はあらゆる宗教で重要視され、キリスト教では「自己犠牲=愛」と解釈されるほど気高い行為だ。団体競技においても、自己犠牲を強いられる場面が多々ある。そんな自己犠牲が明確に数値化されるスポーツはただひとつ、野球だけだ。

「犠打533という世界記録がありますが、プライドもなにも、自分の役割を全うしただけですから」

 川相昌弘は平然とそう答えた。しかし、この言葉を額面通りに受け取ることはできなかった。この境地に至るまでの葛藤を想像すると、川相が言う“プライド”の意味を考えずにはいられなかった。

 堅実な守備に、職人技と評されたバント。野球ファンなら誰しも、そんなフレーズとともに川相を思い出すはずだ。もう少し突っ込んだ言い方をするならば、強打者揃いの巨人打線の?ぎ役、脇役的存在……。しかし、実際の川相は誰よりも骨太で、主役に劣らない豪胆な男だということはあまり知られていない。

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