菅首相退陣へ。衆院選を前に有権者は自らの責任を省みよ

菅首相退陣へ。衆院選を前に有権者は自らの責任を省みよ

写真/時事通信社

―[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]―

菅首相は9月3日に「コロナ対策に専念」することを理由に自民党総裁選への不出馬を表明。9日の会見では「国民が安心と希望を持てる未来に道筋ができた」と自らの実績を誇った

◆涙のリクエスト

 カメラの前で本気で泣けるのはS級、わざと泣けるのはA級、泣けない奴はB級だ、とはとあるAV監督が勝手に作ったAV女優論だが、昔のAV現場では確かに突然泣き出すAV女優というのが結構いた。

 制作側はそれを歓迎し、「みんな涙でヌクんだ、もっと泣け泣け」とカメラをしっかり回しながら煽る。涙というのは何か男にとってヌキどころになるくらいは特別な思い入れのあるものらしい。

 もしAV女優だったら私と同じ典型的なB級女優だったであろう菅義偉首相が17日告示の自民党総裁選への不出馬を改めて表明し、コロナ禍で誕生した政権はわずか一年で退陣することになった。横浜市長選での派手な敗北の後、人事刷新や衆院解散などが次々検討されたが、決定的な打開策はなかったようだ。

 総裁選ではすでに出馬を表明している岸田・高市・河野の3氏に加え、野田聖子氏や石破茂氏の動向が注目される。ワタシ的には2012年の総裁選決選投票で、1回目の投票で他を圧倒した石破氏が勝っていた場合、つまり安倍ロング政権が誕生しなかった場合の日本の姿を想像することが多いのだが、石破氏本人は慎重な姿勢とも伝えられ、なんとも言えない。

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