東京五輪が炙り出したこの国の「差別」にどう立ち向かうべきなのか?<ノンフィクション作家・安田浩一氏>

東京五輪が炙り出したこの国の「差別」にどう立ち向かうべきなのか?<ノンフィクション作家・安田浩一氏>

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ネットに吹き荒れる誹謗中傷、国民を見殺しにする政府や権力者、強気を助け、弱気を挫くメディア……。現代の日本社会を覆う、この不快な空気は何なのか? 差別に関する徹底的な取材をもとにしたノンフィクションをいくつも上梓してきた安田浩一氏が、ジャーナリストの青木理氏と語り尽くした本が刊行された。

『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』(講談社α新書)と題された同書について、著者の安田浩一氏に話を聞いた。

◆東京五輪があぶり出した差別

―― 安田さんは新著で青木理氏と対談し、日本にはびこる差別について論じています。日本がいかに差別的な国であるかは、今回の東京五輪で改めて明らかになりました。森喜朗氏の女性蔑視発言や小林賢太郎氏のホロコースト揶揄など、挙げていけばキリがありません。一連の問題をどのように受け止めていますか。

安田浩一氏(以下、安田) 東京五輪は日本社会の偏見や差別、レイシズムの問題をあぶり出したと思います。日本の現状は差別を禁じた五輪憲章に明確に違反しており、五輪を開催する基準に達していません。皮肉な言い方をすれば、日本は五輪を開催するには早すぎたのです。すでに冬季も合わせて数回オリンピックを開催していますが、とても五輪を開催できるような国ではなかったということです。私はもともとオリンピックに反対の立場でしたが、このことが明らかになったという一点において、東京オリンピックを開催した意味はあったと思います。

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