借金500万円男。自分への誕生日プレゼントは「ホームレス生活とサヨナラ」



 コンビニで贅沢をし、寝て起きて、身内のおめでとうLINEに返信して加齢の儀式は終わり、だった。底辺漆黒接客業からの卒業の余韻は、三年近く経ってもまだ残っている。フリーターの僕は今年の誕生日を完全な休みとした。これが本当の自由だ。人間だ。泣けてくる。

◆オリンピックで安宿が……

 腐っても誕生日、せめて自分史に爪痕くらいは残しておきたい。どれだけ人生に失望したとしても、一人でいる以上誕生日を完全に忘れてしまう人間なんて存在しない。僕の周りで本当に誕生日を忘れてしまうのは、子供が受験期に入った母親くらいだ。

 いや、もしかしたらあの頃の母親も余計な気を遣わせないようにその存在感を消し、家族が寝静まった頃に一人でHappy Birthday To Meを歌っていたかもしれない。そんなわけで、少なからず20代で誕生日に心が何一つ動かない人間はいないとしよう。僕もまたその事実を受け入れる。

 5月にホームレスになった僕は、日雇いのアルバイトをしながらホテルや友達の家を転々としていたのだが、オリンピックの開催に伴って簡単に居場所を探せなくなっていた。最初の方は一泊2000円ほどで一人部屋に止まることができたのだが、底辺層に向けた宿泊ビジネスは水面下で徐々に値段を上げていき、最早この生活が身軽で得をしているのかどうか、わからなくなってきた。

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