ムロツヨシが“喜劇役者”を名乗るワケ。両親の離婚、長い下積み、借金を経験しても

ムロさんの声音や表情を前に、見ているこちらも説得される。でも、考えてみればその言葉に何も根拠はないんです。

ムロ:ハッタリですよね。根拠がないと自分でもわかっている言葉だからこそ、それを堂々と言えるかどうかが大事だと思うんです。「死なないよね?」と聞かれたときに、「死なないよ」をしっかり真っすぐ言えるかどうか、それを娘は見ている。このときはね、言えたんですよ。

でも病気の進行や妻の秘密を知るうちに、少しずつ言葉のニュアンスが変わっていってしまう。自分の運命を呪うし、自分の愛を呪う。牧師であるにもかかわらず、神をも疑うところまでいっちゃうわけです。そこからもう一回這い上がって、かつて信じていたものを取り返すことができるかどうか。始まりはハッタリでも、それを本物にできるかどうかが試されているんです。

――ハッタリって大事ですよね。

ムロ:めちゃくちゃ大事です。僕なんか、ずーっとハッタリで生きてきましたから。特に若い頃は、「できますか?」って聞かれたら「できる」と即答して、後からやり方を考えるんです。できないことを「できる」と言ってたんで、そのぶん怒られること、嫌われることも増えますけど、経験値も増えました。

――今もハッタリを言うんですか?

ムロ:ああ、甥っ子と姪っ子に、「夢は叶うよ」って言いましたね。

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