鬼才・園子温がニコラス・ケイジとタッグ。還暦にしてハリウッドデビューできた理由

次からは自分の書いた脚本で、スタッフも全員外国人で撮りたい。まあ、本当は気が弱いので、日本人をちょこっと入れたいなと思ってるけど(笑)。

◆憧れとは反対で「大器晩成」だった

――「若くして成功」という道のりにならなかったことは、今振り返ると、どう感じていますか?

園:それがよかったんだ、と思わざるを得ないですよ。子どもの頃、いくら手相や星占いをやっても「大器晩成」と出る。僕の大好きな人たちは、みんな若いうちに、21〜22で花開いて、その勢いのまま若くして死ぬ。だから僕も若くして死ぬのに憧れていたのに……なんで「大器晩成」なんだよ(笑)。

松本清張が苦労して小説家デビューした話なんかを聞いても、むしろ自分はそうはなりたくなかったのに、案の定、自分もそうなった。今思えばもうそれしかないんで、これでよかった。「俺は永遠に若いからチャレンジを続けるぜ」ってことじゃなく、むしろ逆で、こうなっちゃった以上は、そう思い込むしかないって。日本でずっと映画撮れと言われたら、それは僕にとっては終身刑をくらった気分(笑)。

60歳になったからって黄昏たくなかったし、これまでの評価を一切勘定に入れてくれないハリウッドという新しい世界にも飛び込めた。それに僕はまだ立派な映画を一本も撮ってないと思っている。気持ちを若返らせないとやっていられないでしょ。それでこその大器晩成ですから。

 ニコラス・ケイジと組んで、ハリウッドに殴り込んだ園監督。今後も「大器晩成」として、世界中で名作を生み出していくのだろう。

【Sion Sono】
’61年、愛知県生まれ。’85年『俺は園子温だ!!』で監督デビュー。以降、’09年『愛のむきだし』、’11年『冷たい熱帯魚』、’13年『地獄でなぜ悪い』などで国内外の賞を受賞。公開中の『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』でハリウッドデビューを果たした

取材・文/おぐらりゅうじ 写真/加藤 岳 構成/村田孔明(本誌)

※10/12発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』より

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