鬼才・園子温がニコラス・ケイジとタッグ。還暦にしてハリウッドデビューできた理由

J−POPがあんまり自分には受け入れられなかったんだけど、それと同じなのかなぁ。うまく周りに馴染めないというか。

人に嫌われないような優等生にはなりたくなかったという気持ちもあった。それでもう一度、アメリカに行ってみて、実際にハリウッドの映画会社を回ってみた。ハリウッドの重役たちの前で、撮りたい映画の企画を話すんだけど、「女子高生が侍ゾンビと戦って、セールスポイントはパンチラで……」と、いくら話しても面白さが伝わらない。ハリウッドはどこまでも商業路線で、僕が勝負したいエロチシズムや暴力、ホラーはまったく受け入れてもらえなかったんです。

またもアメリカで失敗し、日本に帰ってきてから、すべてをぶつけたのが『愛のむきだし』。僕はこの作品が本当の商業映画デビュー作だと思っていますね。

――『自殺サークル』から20年。その間は『冷たい熱帯魚』『ヒミズ』『地獄でなぜ悪い』『新宿スワン』と、次々とメジャー作品を撮ってます。

園:何度もアメリカで失敗したけど、そのたびに原点を思い出せた。ホームレスのときは、「泊まるとこないんだったら寝ていいよ」と、レンタルビデオショップの店長が部屋を貸してくれた。それもただのビデオショップではなく、Z級の作品しか置いてないの。夜になると、スチュワーデス対半魚人みたいなしょうもない映画を延々と観ていました。

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