迫り来る改憲提案。護憲派はいま、何をすべきか?<慶大名誉教授・法学者・小林節>

迫り来る改憲提案。護憲派はいま、何をすべきか?<慶大名誉教授・法学者・小林節>

写真はイメージです

◆国防強化派が三分の二を超えた

 今回の総選挙の評価は色々と可能であるが、「国防」という観点から見ると、国防強化派(自民・国民・維新)の圧勝と言える。それは国民の過半数が中国の軍事的脅威を実感しているからであろう。南シナ海という公海中に人工島を作りその周りを領海だと宣言して近隣諸国を軍事力で威嚇している中国が、今、香港やウイグルで行っていることも世界は知っている。その中国が、歴史的にも国際法上も完全にわが国の領土である尖閣諸島を日々軍事的に脅かしている事実を不快に思うのが普通の日本人の感覚であろう。

 だから、総選挙に際して、「国民の生命・財産と領土と国の主権を守り抜く」と公約した自民と「主権を守る態勢の強化」を公約した国民と「中国に毅然と対応する」と宣言した維新が議席を三分の二以上に伸ばしたのは自然である。

 それに対して、国際情勢と国民の圧倒的多数が認めるまでは自衛隊による専守防衛を維持すると言っていたはずの共産党が、今回、「9条を生かした平和外交」をと主張したことは、中間派の不安を招いたように見える。また、国防には触れずに「平和を守るための現実的外交」と公報に書いた立憲民主党も中間派に不安を与えたように見える。

 こうなったからには、改憲を党是とする自民党の総裁が改憲論議を進めると公言した以上、改憲の手続は進んで来ると考えておくべきであろう。

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