ウクライナは世界第三位の核兵器保有国の地位をなぜ放棄したのか/グレンコ・アンドリー
2022年03月03日 08時50分 SPA!
―[ウクライナ人だから気づいた日本の危機]―
ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領は、ことあるごとに“核”の脅威をちらつかせてくる。その一方、ウクライナはソ連崩壊後、世界第3位の核兵器保有国であったという事実がある。ウクライナ軍は激動の近代史の中で、どう変容していったのか。日刊SPA!PLUSに掲載された『ウクライナ人だから気づいた 日本の危機』の著者・グレンコ・アンドリー氏による寄稿を再掲載する。
◆ソ連崩壊で世界第三位の核兵器保有国に
ソ連崩壊後、ウクライナはソ連から強い軍隊を受け継いだ。もちろん、ソ連がウクライナのために大軍を置いていったわけではない。ソ連の軍事戦略上、最も重要であったヨーロッパ方面に位置するウクライナには、大きな軍隊を駐屯させておく必要があった。そしてソ連政府は、ウクライナをソ連の不可分の一部として認識しており、そのウクライナがいつか独立するなど、まったく想定しなかった。
そのようなウクライナは永遠にソ連の一部であり続けるという前提で置かれた軍隊は、ある日突然、ウクライナの意思と関係なく、ソ連の崩壊によってウクライナに受け継がれた。
偶然だったとは言え、独立した時点でウクライナがその強い大軍を所有していたのは紛れもない事実だ。
記事にコメントを書いてみませんか?