セクハラ告発に逆ギレする男の稚拙な被害者意識

セクハラ告発に逆ギレする男の稚拙な被害者意識

写真/産経新聞社

―[鈴木涼美の連載コラム「8cmヒールで踏みつけたい」]―

映画監督の榊英雄、園子温、俳優の木下ほうか、映画プロデューサーの梅川治男など、映画関係者による女優たちへの性加害が相次いで報道され、映画界で悪質なセクハラ、性行為の強要が常態化していたことが明らかになった。

◆Hasta la vista, baby.

ハリウッドや韓国に遅れること数年、日本映画界でもセクハラの膿が出されはじめましたが、ずいぶん酷いですね、AV業界のほうがよほどクリーンですよね、と二日連続で知人に言われたのだが、ポルノを愛する私が聞いてもなかなか頓珍漢な発言だと思う。

なんとしても出たいと思って出演する人が多い映画と、できれば出たくなんかないが背に腹は代えられぬと思って出演する人が多いAVでは、権力の構造と問題が違う。「何か犠牲を払ってでも出演機会を逃したくない」という思いにつけ込むAV監督があまりいないのは、AV出演自体が何かの犠牲である場合が多いからだ。

その代わりに、出演を隠していることにつけ込まれたり、お金に困っていることにつけ込まれたりすることはままある。そして黒い世界に黒いなりの悪が生まれるように、金色の世界には金色だからこそ生まれる悪がある。

複数人の女性が過去に受けた性被害を告発した週刊誌の記事を皮切りに、映画監督や俳優、プロデューサーのスキャンダルが相次いで報道された。

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