「正社員の特権」を得るために奴隷になっていませんか?日本型雇用の矛盾

実は随分前から始まっていたのです。1986年の労働者派遣法は、こうした正社員ではない働き方の法整備が不十分だったので、そこにしっかりした法的地位を与え労働者を保護することを目的としていたわけです。ところが、日本のバブルが崩壊したことにより、非正規雇用は企業がコストを削減するためのバッファー(緩衝材)として使われるようになってしまった。確かにそういう風にも使えますから。

 景気悪化を乗り切るための人身御供として非正規雇用を利用し、その犠牲の上に成り立っていたのが1990年代以降の正社員の終身雇用でした。これ以降、世の中には正社員という「上級国民」と非正規雇用という「奴隷」が存在するかのような、そんな分断がこの国に広がっていきました。

◆正社員の特権を得ようとして奴隷になっている

 就職活動を必死で頑張る大学生が得ようとしているのは、正社員という特権です。だからこそ、パワハラのような面接にも耐えられるし、理不尽な扱いを受けても、学歴で差別されてもなかったことにできるんですね。私から見ると、特権を得ようとしてかえって奴隷になっているような気がしますが? 本当にそれでいいんでしょうか。まして、その雇用が一部の人の多大なる犠牲の上に成り立っているとしたら、大変複雑な思いです。

 もちろん、雇用の安定を求めるのは悪いことではありません。

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