国際情勢が揺らぐなか、いま日本がすべきこと/倉山満

国際情勢が揺らぐなか、いま日本がすべきこと/倉山満

3月7日、ロシア政府が日本を「非友好的な国と地域」に指定。5月4日には、制裁措置への報復として、岸田文雄首相をはじめとする63人の日本人入国禁止リストを公表している 写真/時事通信社

―[言論ストロングスタイル]―

◆危機が喫緊なのに、なぜ「5」年なのか

 昭和20年5月、同盟国のドイツは無条件降伏。日本も敗色濃厚だった。心ある人は「ソ連はドイツを倒した。次は日本を滅ぼそうと、既に動き始めた!」と警告していた。しかし、軍と政府の大勢は、「ソ連は秋まで攻めてこない」だった。それどころか「中立条約を結んでいる仲だ」と和平交渉まで依頼していた。

 結果、8月に中立条約を破棄して我が国に攻め込み、阿鼻叫喚の大量殺戮。女は犯され、生き残った男はシベリアに拉致されて奴隷労働となった。

 何の根拠もない楽観論は、悲劇を招く。

 最近、自民党が政府に立派な提言をした。これまでの防衛政策を根本的に見直そうとの主張で、多くの具体策が挙げられている。では、その裏付けとなる予算はどうか。「防衛費GDP2%を5年以内に」だ。

 同提言書では、我が国の安全保障環境は喫緊の危機にあるとの情勢分析が並べられている。では、危機が喫緊なのに、なぜ「5」年なのか。

◆日本は中立国ではない。ロシアの敵国だ

「ソ連は秋まで攻めてこない」と同じにならないように祈るしかない。日本はウクライナと違ってアメリカと同盟を結んでいるが、自分の国を自分で守る気が無いのに、アメリカが真剣に戦う訳が無い。

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