余命わずかの人に寄り添う“終末期ケア”の悲痛。生きた証が消えていく

あれだけ汚かった部屋が行くたびに綺麗になっていくけど、それは整理整頓できるようになったからではなく、我々が綺麗にした部屋を『汚す力がなくなっている』ということ。彼のW生きている証Wがなくなっていき、余命宣告からちょうど1ヶ月後に亡くなりました。最期まで自分の生き方を貫いた人、そしてその生き方ができなくなって迎える死を目の当たりにして、色々と考えさせられることがありました……」

◆働く側のメンタルケア

 通常の介護に比べて、患者の死に直面する機会が圧倒的に多いターミナルケア。このような環境下では、ヘルパーに対するメンタルケアも必要になってくるとHさんは語った。

「利用者さんが亡くなる姿を見ることは何度経験しても辛いですが、そこも含めてターミナルケアなので受け止めるしかありません。それでもやはり落ち込んでしまうヘルパーも多いので、事前に利用者さんの体調などの状況をしっかりと伝えています。利用者さんが最期を迎えた時の、ヘルパー側の精神的負担を軽減させてあげるためにも、状況だけは確実に把握してもらう必要があるのです」

 利用者さんの状況の伝達を続け、従業員のメンタルをケアしてきたHさん。しかし、それでもトラウマになってしまうヘルパーもいるという。

「奥さんが長い間寝たきりで、旦那さんがずっと一人で面倒をみてきた80代の夫婦のお家で起きた出来事でした。

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