「新しい資本主義」とは結局何なのか?自民党の討議資料から考える/倉山満

「新しい資本主義」とは結局何なのか?自民党の討議資料から考える/倉山満

6月1日、衆院予算委員会で立憲民主党の泉健太代表が岸田内閣の経済政策について質問中、頭をかく岸田文雄首相。しかし、本当に頭をかきたいのは国民のほうかもしれない 写真/時事通信社

―[言論ストロングスタイル]―

◆頼む! 普通の資本主義をやってくれ……

 岸田文雄首相が長期政権を築きたいと思っているのは誰の目にも明らかだが、何をしたいのかはさっぱりわからない。ただ岸田首相も、何も実績がないのは恥ずかしいとの自覚はあるようだ。そこで打ち出されたのが「新しい資本主義」だ。

 報道ではようやくその一端が明らかになりつつあるが、それが何なんなのか、さっぱりわからない。とにかく「新自由主義」を批判したいのだけはよくわかった。仕方がないので、自民党の討議資料を取り寄せてみたが、余計に何のことやらさっぱりわからなくなった。

 そもそも、岸田首相と取り巻きは、自由主義と資本主義を区別しているのだろうか。そこからしてよくわからない。その上で「新」だの「新しい」だのを加えるから、余計にわからなくなる。

◆そもそも資本主義とは何か?

 普通、経済的自由主義のことを資本主義と呼ぶ。経済活動の自由が認められ、機会が保証され、結果として個人が所有する財産に差が出るのは仕方がないと考える、主義のことだ。近代経済学、自由主義経済の祖とされるアダム・スミスは、政府が可能な限り民間の経済活動に介入しないことを説いた。つまり、政府がマクロ経済に対してできる唯一の事は、民間の邪魔をしないことである。

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