全身が動かなくなる難病ALSに、初の治療法。「自力で寝返りを打てた」例も

全身が動かなくなる難病ALSに、初の治療法。「自力で寝返りを打てた」例も

ALSと闘った物理学者、スティーヴン・ホーキング博士(1942-2018)? Alessandrozocc

「ALS(筋萎縮性側索硬化症)の症状を、副作用のリスクなしに改善させたのは、私が知る限り培養上清による治療が世界で初めてです」
 こう語るのは、再生医療の研究や治療の第一人者で『驚異の再生医療』などの著書がある、名古屋大学名誉教授・上田実氏だ。くしくも6月21日は「世界ALSデー」である。

◆ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、治療法のない残酷な難病

 医療技術の発達によって、これまで不治の病といわれてきた病気が、症状を改善できるようになったり、完治するようになってきた。しかし、現在でも、病気の原因がわからず、有効な治療法がない病気が多くある。有効な治療法がなく、厚生労働省が難病に指定しているものだけでも、現在のところ333の病気がある。

 冒頭に挙げたALSも難病指定されている病気の一つなのだが、多くの方にとってはなじみのない病気かもしれない。それもそのはずで、日本でこの病気を発症する人は10万人あたり1〜2.5人とあまり多くない。現在、日本では約1万人、世界では約40万人の患者さんがいるといわれている。

 まずはALSとはどんな病気なのかを簡単に説明しておこう。

 ALSは主に中年以降に発症し、手や足、のど、舌など、体中の筋肉が次第に動かせなくなってしまう。筋肉に問題があるのではなく、脳から続く中枢神経である脊髄に激しい炎症が起きて運動神経が傷つき、からだを動かすための脳からの指令が筋肉に伝わらなくなる病気だ。

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