隣で核保有国が侵略戦争を行っている状況で「軍事抜きの外交」など論外/倉山満

隣で核保有国が侵略戦争を行っている状況で「軍事抜きの外交」など論外/倉山満

トルコのエルドアン大統領(写真中央)は、NATO首脳会議で安全保障体制を強化したい欧米の思惑を利用し、北欧2国のNATO加盟承認の見返りにテロ対策への協力を取り付けた 写真/AFP=時事

―[言論ストロングスタイル]―

◆隣で核保有国が侵略戦争を行っている状況で「軍事抜きの外交」など論外

 我が国の岸田文雄首相は、サミットの後にNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議に参加した。選挙中だったにもかかわらず、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)だ。

 それはさておき、ウクライナ事変において英米の側に立ちロシアを敵に回した以上、同盟国かつ事実上の参戦国としてNATOの側に立つ姿勢を鮮明にするのは意味があると考える。ただし、隣国の核保有国が侵略戦争を行っている状況で「軍事抜きの外交」を行うなど論外だ。当然、ロシアの報復による電気不足ガス不足にも備えをしているのだろう。岸田外交の中身には、厳重な監視と適切な批判が必要だろう。

◆首相が誰であろうと、イギリスのプーチンへの怨念は深い

 ウクライナ事変は、一進一退の膠着状態だ。ウクライナに肩入れして事実上の当事者と化しているイギリスのジョンソン首相は内政問題で批判が強まり、退陣を余儀なくされた。

 ただ、首相が誰であろうと、イギリスのプーチンへの怨念は深い。プーチンはイギリスに亡命したロシア人を、何人も暗殺している。これはインテリジェンス(つまりスパイ)の世界の仁義に反する。イギリスがこの政変でロシアへの態度を変えるか変えないか、見ものだ。

1 2 3 4 5 次へ

関連記事(外部サイト)