安倍元首相を吉田茂元首相に匹敵すると誰もが認めるであろうか/倉山満

安倍元首相を吉田茂元首相に匹敵すると誰もが認めるであろうか/倉山満

安倍晋三元総理銃殺事件を受けて、岸田文雄首相は1967年10月31日、吉田茂元首相の国葬以来、55年間行われていなかった「国葬」の実施を決定した 写真/産経新聞社

―[言論ストロングスタイル]―

◆安倍氏の国葬で世界は弔問外交を求めている

 安倍晋三元首相銃殺。痛ましい事件だ。改めて、ご冥福をお祈りする。岸田文雄首相は安倍元首相の国葬儀を決定したが、死してなお国論を二分、休まるところが無いようだ。

 安倍氏の葬儀に関し、外国からの問い合わせが殺到しているらしい。各国で異例の弔意だ。これを「安倍氏が偉大な外交家だった」と騒いだら、よほど頭がおめでたくできている。確かに生前の安倍氏は、アメリカだけでなく、その他の国々との親善に努めた。特にアメリカに加えてオーストラリアとインドを交えたクワッドの構築は、功績として讃えられる。対中包囲網の一環だ。

 一方で、対露外交は地獄絵図だった。北方領土交渉で事実上の二島返還に舵を切ったが、おちょくられて終わった。ロシアは「領土の不割譲」を憲法に明記する有様だ。安倍内閣の対露交渉は、いかなる安倍御用でも「私だって安倍批判をすることもありますよ」とアリバイ作りに使われる体たらくだ。

 現実を見よ。なぜ世界が安倍氏の国葬を求めているのか。弔問外交だ。

◆岸田首相はいっそのこと、ウクライナ事変の和平会議を仕切ってみては?

 弔問外交で真っ先に思い出すのが、ヨシップ・ブロズ・チトーだ。

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