ぴえんVSギャル、若者カルチャーの内面を大解剖。令和のギャルはSNSにいる

ぴえんVSギャル、若者カルチャーの内面を大解剖。令和のギャルはSNSにいる

egg専属モデルの聖菜ちゃん(右上)瀬戸ももあちゃん(左上)と、アイドルグループ「fairy☆dolls」の堀内玲ちゃん(右下)、「ラテラルアーク」の遠月とうかちゃん(左下)

令和のガールズ・カルチャーを引っ張るのはサブカル的雰囲気の「ぴえん系」か、陽気な「ギャル系」か? 現役世代や専門家を総力取材し、Z世代女子の生態を大研究!

 ぴえんとギャルの生態を内面と外見に分けて分析。今回は【内面編】と題し、『LARME』編集長の中郡暖菜氏、ギャル誌『egg』元編集長・赤荻 瞳氏、姉ギャル系雑誌『nuts』編集長・片岡まり氏ら6名に「ぴえんとギャルの内面」について教えてもらった。

◆ぴえんとギャルの生態分析【内面編】

 渋谷発のカルチャーである「ギャル」。’90年代にデビューした歌姫・安室奈美恵や浜崎あゆみを崇拝し、彼女らを模した「コギャル」がブームになった。そこから一部が顔黒メイクなどヤマンバ化。

 ’00年代のコンサバ女子の台頭や美白ブームで一度は廃れたが、令和の今、「Y2K(2000年代)ファッション」として、Z世代にリバイバルしている。

 一方、歌舞伎町のストリートから生まれ、“ぴえん系”として広まったのが量産型と地雷系の2つのタイプだ。前者は没個性を揶揄した言葉だったが、令和からは“お砂糖系ガーリースタイル”に変貌。そして後者は原宿系のゴシックロリータの系譜を汲むとも言われている。

◆【Q&A】ギャルの内面とは?

 ’80年代末、渋谷発のギャルは一世を風靡した。一時絶滅の危機にあったものの、令和になって多数専門誌が復刊し、現代ギャルの内面はどう変化しているのか?

◆Q:“ギャルマインド”とはどんな意味?

A:「どうにかなる」精神で常に前向き

解説:識者全員が「マインドが“てきとー”なこと」と回答。「細かいことは気にせずポジティブな精神を持っていれば、年を重ねて見た目がギャルでなくとも『超ギャルじゃね?』ってわかります」(赤荻瞳氏)

◆Q:どんな性格のコが多い?

A:その場その場を楽しむ前向きな姿勢

解説:基本的にサバサバしており、ギャルマインドに通じる前向きなキャラのコが多い。

「明るくて前向き。人間関係とかで悩むことは基本的にないかな。あとは、みんな声デカいよね(笑)」(聖菜ちゃん)
「どんなに気分がバッド入ってても、日サロ行って焼いたあとは浄化される。引き締まって細く見えるし、最高だからみんな焼けばいいのに」(瀬戸ももあちゃん)

◆Q:よくいる場所は?

A:令和のギャルはSNSにいる!

解説:ギャルの聖地といえば渋谷だったが、スマホの普及とともにネットに移動。行けば誰かしら会える場所だった渋谷だが、SNSを通して交流できる令和ギャルが渋谷まで足を運ぶことは少ない。

「昔は実際会った時に外見やマインドがイケてる存在じゃないとダメでした。例えば、パラパラを上手に踊れたり。でも今は、リアルで証明する必要はなく、フォロワーの数が多ければ、イケてるギャルの証し。たとえ内面がネガティブな“陰キャ”だったとしても、令和は“ギャル”になれますね」(赤萩氏)

「それに、平成時代は直接会っていたからこそ流行が共有されて、ギャル同士が似やすかったんです。でも、令和では直接会うことも減って、平成の浜崎あゆみ的な『絶対この人!』っていうアイコンもいないので、推しもバラバラです。どんどんギャルが細分化しているように思います」(片岡氏)

◆Q:ギャルの間でよく使う言葉は?

A:嬉しくてもツラくても「ダルい」

解説:かつて「ヤバい」「卍」などのギャル発の流行語が全国に普及。令和ギャルは「egg流行語大賞2021」ではキャパオーバーな様子を表す「きゃぱい」が第1位に。ギャルの流行語は赤萩氏曰く「日々更新されている」。

 そんな移り変わりゆくギャル語の最先端は意外にも「ダルい」と我々にも意味がわかる単語だ。しかし、本来の「疲れた」というネガティブな意味だけでなく、ギャルの間では嬉しくても楽しくても「ダルい」で通じてしまう。

「『え、イケメンすぎてダルい』とか言うよね」(ももあちゃん)
「あとは『それな』と『ウケる』だけあれば、ギャルの会話は成立します」(聖菜ちゃん)

◆【Q&A】ぴえんの内面とは?

 服装、メイクで精神的に病んでいる「ぴえん」を表現している彼女たち。はたして実際に“陰キャ”なのだろうか? 地雷系・量産型でもその内面にはかなり違いがある。

◆Q:ぴえんのマインドとは?

A:同担歓迎な量産型と同担拒否な地雷系

解説:ぴえん系にはオタク気質なコが多い。キャラ好きで収集癖があり、推し対象に貢ぎやすいのも特徴といえる。

「ただ、量産型は同じ人のファン(同担)同士仲良くなれるし、オタクを公言しますが、地雷系は独占欲が強く、隠したがる傾向があります。これは友達や彼氏に対する態度でも同じことが言えますね。仲良しのコがほかのコと遊ぶと、すぐに嫉妬してしまうので、SNSでの投稿も結構気を使います」(免罪しゅり氏)

◆Q:地雷系がよくいる場所は?

A:トー横。歌舞伎町。ホストクラブ

解説:最近ではトー横に憧れて東京以外に似ている場所が。

「大阪だとグリコの看板の下、グリ下界隈なんて言われています」(イモ氏)

◆Q:量産型がよくいる場所は?

A:アフタヌーンティーやライブ会場

解説:量産型の行動原理はすべて推しを応援する活動「推し活」に通ずる。推しへの愛を表現するべく、推しのグッズを常に携帯し、映えるような景色や、おいしい食べ物とともに撮影する。

 昨今、若い女性たちの間でブームとなった、ホテルのラウンジなどで可愛らしいスイーツや軽食が提供される「アフタヌーンティー」。それは量産型女子も例外ではない。アフタヌーンティー、通称:アフヌンは、推しのイベントやライブなどと並ぶ量産型の生息地なのだ。

「普段は普通の服装で、推し活のときだけ量産型の格好になるコも多いです」(免罪氏)

◆Q:ぴえんがよく使う言葉は?

A:みんな「死ぬ」ってよく言ってる

解説:本当にツラいときだけでなくポジティブな意味でも使われる。どうやらギャルの「ダルい」のぴえん版のようだ。

「何にでも『死ぬ~』って、特に地雷系のコがよく言う印象です」(さきまるちゃん氏)

◆Q:ぴえん界にインフルエンサーはいる?

A:強いて言うなら齊藤なぎさちゃん

『明日、私は誰かのカノジョ』が今春ドラマ化された際、声優アイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」の齊藤なぎさがぴえん女子を演じたことは大きな話題となった。

「齊藤なぎさ自身はガチの地雷系ではないので、ぴえんについて自ら発信するわけではないですが、彼女が演じるゆあてゃをきっかけにぴえんを知った人も多いと思います」(中郡氏)

◆Q:何にお金を使ってるの?

A:すべては推しのために!

解説:ぴえんは自分にあまりお金を使わない。特に地雷系は一つの目的に全振りする傾向があるとか。

「ホストや地下アイドルに貢いじゃう分、電気・ガスを止められたり、支払い滞納もデフォルトですね」(免罪氏)

◆教えてくれた人

【中郡暖菜氏・『LARME』編集長】
’12年に『LARME』を創刊した編集長。一度休刊した『LARME』の権利を’20年に前出版社から買い取り、自ら復刊した

【赤荻 瞳氏・ギャル誌『egg』元編集長】
21歳で『egg』の編集長に就任。伝説のギャル誌を復活させた。来年4月からは渋谷に開校する女子校の校長

【片岡まり氏・姉ギャル系雑誌『nuts』編集長】
ギャル経験を生かし、『egg』編集部ディレクターを務めた後、姉ギャル雑誌『nuts』復刊時に編集長に就任

【さきまるちゃん氏・地雷系/量産型YouTuber】
コンカフェの店長を兼任するYouTuber。オリジナル商品も高い人気を誇っている。推しは「ミート源五郎」

【免罪しゅり氏・ぴえん系YouTuber】
地雷歌舞伎系YouTube「ぴえん四天王」プロデューサー。アイドルグループ「アイドロップ」のピンク担当

【イモ氏・地雷系/量産型インフルエンサー】
Twitterを中心に、量産型と地雷系に特化した情報を発信中。人気ブランドとのコラボも数多く行っている

◆出演してくれたモデル

【聖菜ちゃん・egg専属モデル】
’02年、神奈川県生まれ。17歳で愛娘を出産した令和のママギャル。9月7日より『聖菜 1st写真集 anela』発売中

【瀬戸ももあちゃん・egg専属モデル】
’03年、愛知県生まれ。ギャルの頂点を決めるコンテスト「TOP OF GAL 2018」では準グランプリを獲得した

【遠月とうかちゃん・アイドル】
アイドルグループ「ラテラルアーク」紫担当。『FLASHデジタル写真集 遠月とうか アイドル人生、満喫中!』が発売中

【堀内玲ちゃん・アイドル】
’97年、広島県生まれ。アイドルグループ「fairy☆dolls」の赤担当。識者として登場してくれた免罪しゅりは双子の妹

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/尾藤能暢

―[[ぴえんVSギャル]大解剖]―

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