カルト教団が生まれる背景に“日本人の宗教嫌い”。その理由は/僧侶・釈徹宗

カルト教団が生まれる背景に“日本人の宗教嫌い”。その理由は/僧侶・釈徹宗

釈徹宗氏

安倍元首相の銃撃事件で、旧統一教会の問題が表沙汰になり、同時に、家族がカルト的な性質をもつ宗教団体に入信してしまう問題も前景化した。そこで、カルト教団に巻き込まれない心がけや、家族がハマってしまった時の対処法を、宗教学者で僧侶の釈徹宗氏に聞いた。

◆家の宗教から個の宗教へ

――旧統一教会が最初に社会問題になったのは約30〜40年程前。この時代は日本の宗教を取り巻く環境は、どのような状況だったのですか?

釈徹宗氏(以下、釈):日本の宗教状況の特徴として、どの家庭もいずれかの寺の檀家に入る寺請制度があり、「家の宗教」という考え方が、江戸時代に確立されました。これはヨーロッパに見られる、地域ごとに所属の教会がきまっている制度にも似ています。

宗教は、地域共同体を確立するための結節点として、機能していたんです。今なお、うっすらとではありますが、続いていますね。

――今でも日本人は、無宗教を自称しながらも、家族が亡くなった時などは檀家になっているお寺に葬式を頼むのが「家の宗教」の名残の一つですね。

釈:それが大きく変化したのが、ここ30〜40年です。核家族化が進むことで、家の宗教という概念が崩れ、ひとりひとりの信仰に基づいた「個人の宗教」が立ち上がってきます。

家の宗教と個人の宗教のすき間、精神の空白地帯に、旧統一教会なども入り込んだ面はあるかもしれませんね。

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