会社倒産から転職後「資産5億円」で逆転FIREした50歳男性。明暗分けた“選択する力”

会社倒産から転職後「資産5億円」で逆転FIREした50歳男性。明暗分けた“選択する力”

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―[ライオン兄さん連載コラム「米国株FIREの流儀」]―

 株式会社バイアンドホールド 代表取締役社長の山口貴大と申します。YouTubeやSNSでは「ライオン兄さん」名義でお金にまつわる情報を発信しておりますので、すでに私のことをご存知の方は、そちらのほうが馴染みがあるかもしれません。

 私は現在、「Financial Free College」(FFC)という金融と起業の総合マネースクールを経営しております。受講生の中には、50歳で臨時収入5億円を得て会社を退職したのち、資産運用を学ぶために入会した男性(Dさん)がいます。

 5億円という大金を手にしながらも不安は消えず、株価チャートに一喜一憂して夜も眠れない日々を送っていたそうです。今回はそんな彼が、心から「FIREを達成した!」と思えるようになるまでの道のりに迫ります。

◆不動産バブル崩壊、就職した会社が倒産…

 Dさんは、学生時代は設計士になるために勉強していました。そして不動産関連の会社に入社。当時は株式や経済に関心がなく、「図面ばかり引いていたので、不動産バブル崩壊に気付いてませんでした(笑)」とのことです。

 案の定、会社は経営状態が悪化し、倒産してしまいます。初めて就職した会社が倒産なんてツイてないと思いつつも、Dさんには他社からのオファーが来ていたそうで、条件も悪くはなかったそうです。

 しかしDさんはこのオファーを断ります。倒産する会社の上司が不動産業界で起業するというので、上司についていくことに決めていました。

 目先の給料はオファーがあった会社より少なかったものの、将来的には上司の会社のほうが業績が伸びて、自分の給料も上がると見通しての決断だったそうです。何より、上司とはウマが合い信頼関係もあったので、「あのときに目先の給料で選ばなくて良かった」と感慨深く振り返ります。

◆収入が上がり続ける一方で心身ともに疲弊

 そして、そんな上司(新しい会社の社長)は、創業メンバーには株式を分配してくれたそうです。株式を社員が保有することで“運命共同体”になり、仕事に対する熱量が上がる……この件は、私も関心してしまいました。

 その後、この会社は快進撃を続けます。業績はうなぎ上りで、名古屋証券取引所のセントレックス(現在はネクスト市場)に上場。さらに、名証一部に上場し、遂には東証一部に上場しました。

 この時点でDさんの年収は1000万円、年間の配当金は1000万円、合計で年間2000万円ほどの収入があったそうです。

 誰もが羨むような話ですが、その裏側には苦悩もありました。

「急拡大で業績が上がった会社を支えるために心身ともに疲弊。年間1000万円の配当金があったものの、いつか株価が暴落するのでは?という不安もありました。次第にこういったストレスから解放されたいと思うようになり、持っていた株式を売却して50歳で会社を退職することにしました。このときの売却額が5億円です」

◆5億円を手に入れてもメンタルは不安定

 5億円を手に入れましたが、仕事は辞めてしまったので、運用益を出さないと資産は減り続けます。懇意にしていた証券会社に勧められたファンドラップに2億円を投資しましたが、運用成績は今ひとつ……。

「後から考えると、手数料が高く、証券会社のカモネギだったと思います」

 そうしているうちに2020年のコロナショックで株式市場が暴落します。自己流で株を学び、米国株の個別銘柄に投資をします。Google、Apple、Microsoft、Amazon、Visaの5銘柄に1000万円ずつ投資しました。タイミング的にはコロナショックの底付近で、その後、株価はV字回復していきます。しかしDさんのメンタルは安定しなかったそうです。

「株価が信じられないぐらい上がっているけど、これはどこまで上がるのだろう?どこで売ればいいのだろう? と、毎日ドキドキしながら証券口座と株価チャートを見ていました。これは本格的に株の勉強をしなくては5億円あっても溶かしてしまう……」

 そんな危機感から50歳にして初めてYouTubeのアプリをダウンロードし、投資系チャンネルを見るようになります。

◆本当の意味で「FIREを達成した!」と思えるように

 ひと通りの投資系チャンネルを見たそうですが、信頼できそうなYouTuberが共通して言っていたのが、「S&P500に連動したETFが良い」ということだったとか。

 S&P500 ETFのVOOは年間の信託報酬が0.03%と激安で、長期の年間リターンが平均で約7%もあります。5億円の原資があるDさんは、ハイリスクな投資よりも、堅実に運用できる米国株インデックスに魅力を感じるようになります。

「YouTuberの中でもS&P500に特化した動画を多くアップしているライオン兄さんのチャンネルに出会い、FFCに入会しました。そして講座を学んでコンサルを受けて、4億円を米国株に投資。今までは個別株に1000万円程度の投資をしたこともありましたが、4億円投資するのは思い切った決断でした。しかし、基軸通貨ドルの裏付けがあり、世界一のGDPを誇る米国株インデックスに投資をするのは、賢明な選択だと理解していたので、不安はありませんでした。

 1ヶ月に1億円ずつ円をドルに両替して、そのドルでETF自動買い付け機能で購入しましょう!と講師と話し合って決めました。そして4億円を全て投資しきって、現在は円安の影響が大きく、円ベースで資産は大きく含み益の状態です。投資をしていなければ、今ごろは円安で悲鳴をあげていたかも知れません(笑)」

 Dさんはこれまで個別株に投資してドキドキしていましたが、経済を深く理解して安眠できるようになり、本当の意味でFIREを達成したと思えるようになったそうです。

◆金融リテラシーを学ぶ必要性を感じられるか

 現在のDさんは英会話を勉強したり、ジムに行ったり、仕事は一切せずに、趣味や家族との時間を楽しんでいます。将来的に移住するかは決めていないそうですが、季節によって日本と海外を行き来するようなライフスタイルを考えているそうです。

 DさんはFFCに入会した初回のコンサルで、「運で資産を得たので実力ではありません。ただ運が良かっただけです」と仰っていました。しかし私は、運だけではなく「実力」だと思っています。

 宝くじの高額当選者のなかには、自己破産してしまう人がいるそうです。

 金融リテラシーがない人は、大金を得ても運用が分からず、資産を溶かしてしまいます。一方、金融リテラシーがある人が大金を得た場合、利回りで生計を立ててFIREしてしまいます。

 Dさんは自分に金融リテラシーが必要と感じ、学ぶために行動をしました。

 また、5億円の資産を得たのも運だけではありません。

 給料の高い会社からオファーがあっても、目先のお金だけではなく将来を見通して上司の会社を選択しました。その選択が後に花開きます。

◆「人生において常に良い選択をしてきました」

 Dさんは、「人生において常に良い選択をしてきました」と言います。

 最初に入社した会社こそ倒産しましたが、上司の会社を選んだのは正解でしたし、FFCというスクールを選んだのも正解でした。奥さんと出会う前は8年ほど付き合っていた彼女がいましたが、別れた後に、奥さんと出会ってからは6ヶ月で結婚しました。

 大学3年生の息子さんがいらっしゃって、彼が20歳のときから年間110万円の生前贈与を始めたそうです(※年間110万円以下ならば非課税)。

 このうちの40万円は「つみたてNISA」に投資をする約束で、残りの70万円は好きに使っていいことに。

「ただ、旅行やセミナーで学ぶなど、なるべく体験に使って欲しいと伝えていますね」

 そして、つみたてNISAに40万円を投資して、1年経ったときにポートフォリオを見直して、資産が増減した理由の分析を一緒にする。これがDさんの子供への金融教育とのこと。

 そんな息子さんはスニーカーに目が利くそうで、大学生ですが、せどりで月数十万円を自分で稼いでいるのだとか。現在は、ロサンゼルスにカルチャーを学びに行っているそうです。

◆興味がない話でも、相手の言葉を真剣に聞く

 成功を掴んだDさんに、最後に読者へのアドバイスを聞きました。すると、「興味がない話でも、相手の言葉を真剣に聞くことが重要」と言います。

「例えば、資産運用の話を誰かにすると、食いつく人と全く無関心の人に分かれます。しかしながら、人の話こそ、“運”を運んできてくれるものです。もちろん、ポンジ・スキーム(投資詐欺の一種)のような話もあるので、なんでもかんでも飛び乗ってはいけません。きちんと知識や経験を身につけて“選択する力”を備えていれば、人の話が大きな力を発揮します」

 50歳会社員で5億円の資産を手に入れて完全FIREしたDさん。インタビューを全て終えて、やはり、私は“運ではない!”と確信しました。

 もちろん、自社株が上場するという運の要素もありますが、運を引き寄せて掴み、そこから転落しないことは「実力」と言えるからです。

◆お金持ちで居続ける難しさ

 お金持ちになることよりも、お金持ちで居続けることのほうが難しいと私は思っているのですが、読者の皆様にもいつ何時、人生のチャンスが訪れるか分かりません。実際に私も20代のときは年収300万円台で、自分が30代でFIRE達成するとはつゆ知らず、お金持ちの世界とは一切無縁だと思っていました。

 しかし、人生はちょっとしたキッカケで好転することがあります。そのためには運を引き寄せて掴むことだと思います。そもそも運はそこらじゅうに転がっています。

 ただ、その運に気付けるのかどうか。

 もしも運を引き寄せてお金持ちになれたときは、お金持ちで居続けるために、金融リテラシーを高めてください。そして豊かになった余裕(感謝)として、社会に還元していただければと思います。

<文/山口貴大(ライオン兄さん)>

―[ライオン兄さん連載コラム「米国株FIREの流儀」]―

【山口貴大(ライオン兄さん)】
金融・起業のマネースクール『Financial Free College』代表。SNSでは「ライオン兄さん」名義で活動。ネット関連会社などにて、8年間のサラリーマン勤務をするが独立。金融・起業の書籍をむさぼり読みつつ、サービス業関連会社を興し、2018年に売却、その売却益を米国株を中心に運用し、経済的自由を獲得した。同スクールは、「投資家が推奨するお金のスクール」、「未経験から学べるお金のスクール」、「結果が見込めるお金のスクール」の3冠を取得(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。2021年10月4日(証券投資の日)に「資産運用をしよう」という言葉をTik Tokで世界一広めてギネス認定される。YouTubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」を運営。著書に『年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」』(KADOKAWA)がある。

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