ヒカルが語る、“4630万円誤送金”田口翔を動画に出したワケ「救ってるつもりはない」

ヒカルが語る、“4630万円誤送金”田口翔を動画に出したワケ「救ってるつもりはない」

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「日本一のYouTuberになる。必ずなる」

 ’13年にチャンネルを開設し、テキ屋のくじ引きの実態を暴く動画で一躍話題に。宮迫博之のYouTuberデビューを助け、山口県阿武町の「4630万円誤送金問題」では保釈金を立て替える。ときに“炎上”もするが、その髪色が示すように光と影がユーザーを引きつけ、チャンネル登録者数は480万人を突破。雑誌媒体のインタビューはほとんど拒否していたヒカルが、初の著作『心配すんな。全部上手くいく。』の発売に合わせ、週刊SPA!に登場。YouTube界の異端児の胸の内に迫った。

◆光と闇を操る最侠YouTuberの正体

──これだけ成功されていて意外でしたが、19歳のときはニート同然の生活だったとか。

ヒカル:高校を卒業してすぐに工場に就職したんですが、単調な作業で面白みもなく給料も安かった。すぐに辞めて、毎日自宅にこもりゲーム三昧でした。たまたま高校時代の友人の兄が骨董品や貴金属を中心にした不用品の買い取り事業の会社を経営していて、その友人が「兄貴ならくすぶっているお前にアドバイスをくれるかもよ」と誘ってくれたんです。会ってみると僕の知らない華やかな世界のにおいがしましたね。格好もスタイリッシュで、一種のカリスマ性を感じたので、その人の会社で営業マンとして働くことにしたんです。人生の転機でした。

──しかし、その会社でトップの営業成績をとっておきながら、1年ほどで辞めています。

ヒカル:憧れはありながらも、「コイツを喰ってやる」という気持ちも同時にありました。だからノウハウを学ぶだけ学んで、ほぼ同じビジネスモデルの会社を起業した。その人には憧れがあった分、何としても追い越したかったんです。絶対すぐに抜いてやると心の中で誓っていた。「俺は必ず成功者になってみせる」という気概というか、自信が昔からあって。根拠なんかなかったんですが(笑)。でもいつかきっと成功するという確信は不思議なくらい常に感じてましたね。漫画には主役もいれば、名もないモブキャラもいる。僕は間違いなく“名前”がつく主要キャラの側だと思い込んでいた。「俺は主役になる」と。

◆悪名は無名に勝る――。批判は僕にとって原動力です

──同業で起業するのはネガティブにも見えます。

ヒカル:悪名は無名に勝る、という言葉がありますよね。僕は他人からの批判はほとんど気にならない。むしろ批判は僕にとっての原動力ですね。

──さまざまな職業を経験するなか、情報商材ビジネスをやっていたことも公言しています。

ヒカル:一般には「情報商材=いかがわしい」というイメージがありますけど、僕はそういう業界で約1~2年の間にかなり稼いだ。そういう世界なんです。ちょっとした情報やノウハウの売り買いで大きなお金が動く。だから「いかがわしい」なんて見方をされるんだと思う。まあ実際、いかがわしい人もいます。そこは否定しない。でも、僕自身は学びを得られる仕事でした。情報商材は、100人買ったら成功するのは1人か2人の世界。だからときに詐欺っぽいとも言われる。でも成功する人がいるのも事実なんです。実際、僕は100人のうちの1人になれた。同じ情報を手にした人は大勢いても、それを生かし切れる人は少ない、それだけの話なんです。

──価値ある情報も、意味を持つかどうかはその人次第と?

ヒカル:世の中のビジネス本の多くも同じようなもの。例えば『人を動かす』というカーネギーの名著。数え切れない人が読んだと思いますが、一体、読んだ人の何%が成功したのか。僕は1%くらいだと思っていて、つまり情報商材と一緒です。どんなに優れた情報でも受け取る側次第で全てが変わる。情報の価値を引き出せなかった読者からしたら、詐欺扱いになる。

◆このタイミングで出版を決めた理由

──そんなヒカルさんが今回初の著書を出版されます。なぜこのタイミングで出版を決めたのでしょうか。

ヒカル:前からオファーはあったんです。でも節目である30歳を超えてから出そうと決めていた。さまざまな仕掛けで世間の耳目も集まり、YouTubeの再生数も好調。満を持して、このタイミングで出そうと思ったわけです。

──本では「話術を磨くために文章を書き続けろ」など、今まであまり語ってこなかった表現者としてのノウハウやテクニックについて言及していますね。

ヒカル:ファンというよりは僕のことを知らない人に刺さる本にしたかったので、再現性の高いノウハウを書きました。ただ、この本は「何を書いているかよりも誰が書いているか」という部分が大事かなと思っています。

──令和で最も時代の波に乗った、時代の寵児としての言葉が詰まっている?

ヒカル:はい。YouTuberという、今まで存在しなかった職業で成功のノウハウが全く確立されていなかったなか、僕はその道を切り開いてきた自負がある。そうして結果を残してきた人間の言葉だからこそ、より多くの人に響くものになっていると思います。この本を読んだ人のなかから1%でも、未来を刺激的に塗り替える人が出てくれることを望みます。

◆「4630万円誤送金問題」田口翔を動画に出したワケ

──一方、最近では「4630万円誤送金問題」でお金を立て替え、ホワイトナイトになったのが話題になりました。

ヒカル:あれは田口翔君の弁護士が「この事件を扱えてウィンウィンの関係を築けるのはヒカルしかいない」と僕に白羽の矢を立てたんです。知っての通り、田口君は絶望的な状況だった。弁護士側も批判にさらされるよりは、知れ渡った彼の存在感を逆に生かすほうがいいと考えたようです。結果的に僕がお金と、人生の立て直しに動くことになった。

──宮迫さんのときもそうですけど、窮地に陥った人間を救い続ける印象があります。

ヒカル:こっちは救ってるつもりはないです(笑)。むしろ僕にとってもチャンスですから。知名度はあるのにピンチに陥っている人間に、蜘蛛の糸を垂らし世間に一石を投じた。その構図が救済に見えるだけです。興味本位でやっている部分も多いですから、人を救済したい気持ちだけではないです。

◆自分のなかでは大きなバクチでもあった

──田口さんと最初に会ったタイミングはいつですか?

ヒカル:留置されていたところから出てきて、動画を撮影したときが初対面でした。だから、自分のなかでは大きなバクチでもあった。もし田口君が更生のしようのない、どうしようもない人間だったら確実に世間から叩かれる。全く反省していない可能性もあったんですが彼と会ったとき、すごく好青年に見えた。報道されていたようなネガティブな印象の人物ではなかった。安心しましたね。

──会った瞬間に彼は更生できると思った?

ヒカル:緊張していたのかもしれないですが、会ったときに震えていて。怖い思いをして、反省しているんだなと伝わってきたんです。

◆人生はどこからでも、這い上がれる

──今の田口さんの様子は?

ヒカル:僕が株主をしている食品会社でPC作業などをして真面目に働いています。彼の未来を考えたら、手に職をつけたほうが将来に繋がると思って紹介しました。

──動画に出せばそれだけ再生数が上がるんじゃないですか?

ヒカル:もちろんそうです。今、田口君は数字を持っています。出演をしてもらって僕のYouTubeのおもちゃのようにはできる。でも田口くんの未来を考えたら、それは彼のためにならない。そんなことよりも社会人として当たり前の基礎を身につけてもらいたいんです。

──今後、田口さんはどういうふうに動画に絡んできますか?

ヒカル:彼を通して人は変われることを、YouTubeで伝えたい。それが絶望している他の人間の希望にもなると思う。人生はどこからでも這い上がれることを僕は見せたい。希望を見せていきたいと思っています。

◆満たされないことが、最強の武器になる

──賛否両論ありつつも、その一挙手一投足に世間の耳目が集まっています。今後の野望を教えてください。

ヒカル:YouTubeでトップを獲ることだけです。登録者数も再生数も1番になり、国民全員が「ヒカルはナンバーワンのYouTuberだ」と認めてもらわないと気が済まない。この飽くなき渇望こそが自分の最強の武器です。年をとっても欲望のある人間で居続けたい。明石家さんまさんら、テレビの最前線の芸能人もそうだと思う。地位も名誉も築き、十分なお金もある。それでも続けるのは、貪欲の塊だから。だからこそ生き残る。僕もそうなりたい。

 限りない欲を持った者だけが、多くの人間の欲望を満たすことができる。令和のダークヒーローが見せてくれる世界は果たしてどんなものなのか。ヒカルの壮大な物語はまだまだ始まったばかりだ。

【Hikaru】
’91年生まれ。YouTuber、実業家。’16年、現在のメインチャンネル「ヒカル(Hikaru)」を開設。テンポの良いトークと異彩を放つ企画で、たちまち大ブレイク。チャンネル登録者数は480万人、総視聴回数は42億回を超える

取材・文/南ハトバ 撮影/水野谷維城 ヘアメイク/mahiro(M’s up) 協力/杉原光徳(ミドルマン) 衣装協力/ReZARD

―[インタビュー連載『エッジな人々』]―

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