バーレスク東京の人気ダンサー「過去の自分より成長できればいい」

バーレスク東京の人気ダンサー「過去の自分より成長できればいい」

DC SORAさん

男に媚びを売るだけの誰でもできる仕事――夜の街で働く女性たちは、そう色眼鏡で見られがちだ。が、実際には、多種多様な客の要求を見抜き、日々の自己研鑽をも必要とする高度な接客能力が求められる。

 クラブ、キャバクラ、スナック、ショーパブ…様々な業態で働く女性たちの普段は口にしない“仕事論”を掘り下げ、仕事と人生のパフォーマンスを上げるヒントを見つけていきたい。

◆周りと比べるのではなく、過去の自分よりも成長していたい
六本木エンターテイメントショークラブ「バーレスク東京」DC SORAさん

 ブロードウェイを彷彿とさせるゴージャスなステージと、煌びやかな衣装に身を包んだダンサーたちの洗練されたショーで人気を博し、六本木を代表するナイトスポットとして多数のメディアでも取り上げらることの多い「バーレスク東京」。雑誌のグラビアを飾ったり、ソロ写真集を出したりと高いタレント性を誇るダンサーが揃う中、圧倒的なダンススキルと愛嬌のあるキャラクターで、着実にファンを増やしているDC SORA(ディーシーソラ)さん。

 系列店の「バーレスク大阪」でキャリアを積み、確固たる地位を築いてきた彼女が、なぜコロナ禍に上京して、新天地で新たな挑戦をしようと思ったのか。

――もともと系列店のバーレスク大阪で働いていたそうですね。

DC SORA 大阪生まれの兵庫育ちで、2018年から2年ほどバーレスク大阪で働いていました。小学2年生から高校生までジャズダンスを習っていて、ダンスを仕事にしたい気持ちもあったんですけど、当時は知識もなかったから、ダンスの先生かバックダンサーぐらいしか選択肢がないと思い込んでいたんです。そしたら高校卒業のタイミングで、友達に誘われてバーレスク大阪に入りました。

◆ステージで踊るのが楽しい

――セクシーな衣装を着ることに抵抗はなかったんですか?

DC SORA なかったですね。恥ずかしかったのも初日ぐらい(笑)。もともと学生時代から倖田來未さんやブリトニー・スピアーズなど、セクシーなお姉さんに憧れていたんです。バーレスク大阪のお姉さん方もエッチでキレイだったし、しかも大好きなダンスもできる。ジャズダンスも後半は発表会に出るために続けていたぐらいステージで踊るのが楽しかったので、理想的な職場でした。

――どうして上京しようと思ったのでしょうか?

DC SORA 系列店で働いていると、自然とバーレスク東京の情報も入ってきますし、東京に来た時にショーを生で観たこともありました。本店はお店の規模も大きいですし、たくさんメディアにも出ていてキラキラした世界だから憧れもあって。人生一回きりだし、やりたいことをやろうと思って2020年12月からバーレスク東京で働き出しました。あとバーレスク大阪で、いい感じにお客さんから応援してもらっていたので、調子に乗って東京に来ちゃったみたいなところもあります(笑)。

◆ブランディングの重要性

――東京と大阪では働いている女性の意識も違うものなのでしょうか。

DC SORA バーレスク東京は、なんとなく好きだから入ったじゃなくて、お店で一番になりたいとか、有名になりたいとか、夢を持って働いている子が多いんです。女の子一人ひとりが強いというか、ちゃんと自分のブランディングがあって、たくさんのファンがついている子ばかり。だから周りを見ていると勉強になるし、もっと自分も頑張らないといけないなと刺激になります。

――そんな意識の高い女性の中で存在感を出すのは大変だと思いますが。

DC SORA そうなんですよ! みんなファンがついていて、たくさんのチップをもらえて、上京当時は「私、東京でやっていけるのかな……」って、めっちゃ心が折れそうになりました。ネガティブになることも多かったんですけど、2021年4月に自分のバースデーイベントがあって、予想以上にたくさんのお客さんが来てくれたんです。そこからイベントを重ねる度に、ちょっとずつ自信もついてきました。

◆ショーと練習に明け暮れる日々

――接客ではどんなことを意識していますか?

DC SORA 口下手なほうなので、あんまり接客は得意じゃないんです。それに他の女の子は、「私はこういうキャラです!」というブランディングがしっかりしているんですけど、私はキャラ作りみたいなのも苦手で……。だから素のまま、友達感覚でお客さんと接しています。その分、得意なダンスで楽しんでもらえるように、日ごろから真剣に取り組んでいます。いろんなショーに出られるように、たくさんのポジションを覚えるようにしていますが、曲数が多いので大変ですね。

――体力的に辛い時もあるのではないでしょうか。

DC SORA イベントが近くなると、毎日出勤して、ショー前にレッスンがあって、本番、その後もレッスンという日が続きます。そういう時は体力的にしんどいなって思いますけど、ダンスが好きなので苦ではないですし、性に合ってます。

◆目の前のイベントに全力投球

――どんな時にやりがいを感じますか?

DC SORA ショーでセンターに選ばれた時と、自分に会いに来てくれるお客さんがいた時ですね。「SORAちゃんのファンです!」って会うだけで泣いてくれる女の子もいて、アイドルになった気分になります。

――同じバーレスク東京のダンサーにライバル心みたいなものはありますか?

DC SORA ないですね。もともと人と比べられるのがあまり好きじゃないので、過去の自分よりも成長できたらいいなって気持ちでやっています。性格的にあまり大きい夢を掲げるほうではないんですけど、たとえば前のイベントよりも頑張ってお客さんを呼ぼうとか、そういう目標をモチベーションにしています。

◆コンテストでは新しい経験を

――「ナイトクイーングランプリ(NIGHT QUEEN GRANDPRIX)」には、どうしてエントリーしようと思ったんですか?

DC SORA お店の方から「こういうコンテストがあるけど出てみないか?」と声をかけられたんですが、今お話ししていて分かったと思うんですけど、私は自分に自信がないんですよ。それにステージでMCするのも苦手で、引くぐらい人前ではしゃべれないので、いつも誰かに助けてもらっています。でもバーレスク東京で2年近く働いていて、日々の生活がパターン化しているなと感じる時もあって、何か新しいことに挑戦しようと思ったんです。コンテストにエントリーすることで、仕事に対しても新たな向上心を持って臨んでいけるかなと思って、出場を決意しました。

――お店の看板を背負うというプレッシャーもあるかと思います。

DC SORA もちろんプレッシャーもありますし、こういうコンテストに参加すること自体が初めてなので不安も大きいです。ただコンテスト期間中に、水商売の基本の接客、ウォーキングやテーブルマナーなどの講座があって、今までバーレスクで経験できなかったことが、たくさん学べるんです。たとえグランプリを獲れなかったとしても、すごく良い経験になっていますし、今は楽しんでグランプリ本番に臨もうと思っています。

 DC SORAさんは、10月10日に本戦を迎える「ナイトクイーングランプリ」のガーベラ部門プロフェッショナルクラスにエントリーしている。同イベントは、水商売業界のさまざまな業態で働く女性たちの知られざる魅力・ポテンシャルを表舞台で披露し、“夜の女王日本一”を決めるコンテスト。まだまだ自分に自信がないと謙遜する彼女だが、バーレスク東京で磨き上げたパフォーマンス力と表現力を武器に、存在感を存分に発揮してほしい。

取材・文/猪口貴裕 撮影/星亘 協力/日本水商売協会

―[ナイトクイーンたちの仕事論]―

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