殺伐とした恋愛市場で疲れた人を癒やす映画『ねことじいちゃん』

殺伐とした恋愛市場で疲れた人を癒やす映画『ねことじいちゃん』

?2018「ねことじいちゃん」製作委員会

〜藤沢数希のモテる映画工学『ねことじいちゃん』〜

◆殺伐とした恋愛市場で疲れた人を癒やす「ねことじいちゃん」の物語

 港区女子、パパ活女子大生、そして星の数ほどいる成功者たちが跋扈する東京の恋愛市場。そこに立てば、否応なしに男も女も値踏みされる存在となる。学歴、顔面偏差値、勤務先企業、年収……。

 成功者たちが集うパーティに行けば、きらびやかな美女たちがポケモンのごとく連れられて、すぐさまポケモンバトルが始まる。よりイケてる美女を連れている男が勝ち、イケてない女を連れていれば、いくら成功していてもこのバトルでは敗残者になる。荒涼とした東京の恋愛市場は、さながら勝者なき戦場だ。

 そんな恋愛市場で疲れ果てた心を癒やしてくれる作品が『ねことじいちゃん』だ。舞台は年老いた漁師と農夫が細々と暮らす離島。そこにはコンビニすらないが、四季折々の自然があり、たくさんの猫がすんでいる。妻に先立たれた大吉さんは愛猫のタマと暮らし、毎朝のタマとの散歩や、妻が残したレシピで料理をするのが楽しみだ。

 近所のじいさんが釣ってきた魚や、農家がおすそ分けしてくれた野菜を、自分とタマのために料理するのだ。この離島では時間がゆっくりと流れている。そんな生活を求めて、都会から引っ越してきた美人の美智子さんはカフェを始めていた。

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