「マイナンバー制度」でSE不足が問題化。多額の補助金投入もいまだ解消されないワケ

「マイナンバー制度」でSE不足が問題化。多額の補助金投入もいまだ解消されないワケ

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 さまざまな課題が指摘されながらも、’16年1月にあたふたとスタートしたマイナンバー制度。IT業界は、直前に仕事が集中し、SE(システムエンジニア)の数が不足するのではないかという問題が持ち上がった。しかし、IT産業アナリストの佃均氏はこれに疑問を呈す。

「SEと一口にくくることがそもそも間違いです。まず住基ネットなどさまざまなシステムを改造し、新たに連携サーバーを導入するような上位工程を担うエンジニア。そして彼らが開発・設計したプログラムを実際に運用する下位工程のエンジニアの2種類がいるんです。確かに上位工程のエンジニアは人材が不足していました。住民票のコンビニ交付などは一部実現したものの、当初謳われた確定申告の自動化などは追いついていない。これは制度整備の遅れと、上位工程の人手不足が大きな要因です」

 一方で、下位工程の人手は足りていたはずだという。しかし、全国の地方自治体のマイナンバー対応でおかしな問題が発生した。

「システム運用の元請けであるITベンダーが、発注元である各地方自治体へ“下位工程の人手が足りない”ことを理由に、実際の3倍くらいの予算を吹っかけていたんです。結局、政府が財政不足を訴える各地方自治体に多額の補助金を出す羽目になりました」

 本来、上位工程のSEに費用や人材を投入すれば、マイナンバー制度はもっとスムーズに導入できた。だが、地方自治体がITベンダーに言われるまま、本当は足りていた下位工程の人材にムダなカネを注ぎ込んでしまった。

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