「いい人なんてどこにいるんだよ?」と毒づいたホーク――フミ斎藤のプロレス読本#024【ロード・ウォリアーズ編9】

「いい人なんてどこにいるんだよ?」と毒づいたホーク――フミ斎藤のプロレス読本#024【ロード・ウォリアーズ編9】

『フミ斎藤のプロレス読本』#024 ロード・ウォリアーズ編エピソード9は、新日本プロレスに活躍の場を求めたホークの“自分探し”のストーリー(写真は米専門誌「スポーツ・レビュー・レスリング」表紙より)

 199X年

「ファッキン・ビッチFucking bitch!」

「カントCunt!」

「ワラ・ホアーWhat a whore!」

 思いつく限りの罵詈雑言を並べて、ホークが鼻の穴をふくらませた。仲よくしている女の子とケンカをしたらしい。

 ガールフレンドといえばガールフレンドなのかもしれないが、どうもオフィシャルな彼女ではなさそうだ。

 だいたい、“恋人認定証”をつくってしまうと、大ごとにしなくてもいいようなささいなことが哲学上の大問題に発展したりしかねないし、なんの気なしに口にしたことで、けっこうわずらわしい事務処理を背負わされたりする。

 ホークの機嫌の悪さからみて、新しいガールフレンドとは知り合ってからごく数週間といったところだろう。

 ファッキン・ビッチくらいならまだしも、カントとホアーはまずい。アメリカだったら、職場で使ったら解雇、女性に対して使ったら裁判沙汰になってもおかしくない単語である。

 彼女のことがまだよくわからなかったり、どこかに迷いや疑いがあるから、ひょっとしたらそのうち大切な人になるかもしれない相手を口汚く非難してしまったりすることがある。

 ホークは、たまたまそこにいた女性と前後の見境なくすぐに近い関係になったりするタイプではない。プロレスラーの標準値から判断しても、どちらかといえば堅ブツに近い。バツイチになってから2年が過ぎたが、ステディなガールフレンドは見つかっていない。

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