ド田舎に家を建てて犬といっしょに暮らしているノートン――フミ斎藤のプロレス読本#027【ロード・ウォリアーズ編エピソード12】

ド田舎に家を建てて犬といっしょに暮らしているノートン――フミ斎藤のプロレス読本#027【ロード・ウォリアーズ編エピソード12】

『フミ斎藤のプロレス読本』#027ロード・ウォリアーズ編エピソード12は、ホークの親友スコット・ノートンの孤独なつぶやき。“剛腕”ノートンはどうしてオレゴンに家を建てたのか(写真はWCWパブリシティー・フォトより)

 199X年

 スコット・ノートンはものすごい田舎町に住んでいる。なにがものすごいのかというと、いくら耳をすませてもどこからもなんの音も聞こえてこないことだ。

 夜になると、鼻からスースー息を吸ったり、シャワーを浴びたり、冷蔵庫からビールを取り出したりしているのはこの地球上で自分ひとりなんじゃないかと錯覚してしいまうくらい静かなところである。

 でも、人里離れた山奥で仙人のような暮らしをしているのかというとそうではない。ノートンが住んでいるキャマスという町は、オレゴン州とワシントン州のちょうど州境にあたる。

 広いハイウェイ沿いにはガス・ステーションがいくつもあるし、大きなスーパーマーケットやそれなりのショッピング・モールもあることはある。

 人口もじっさいには2万人くらいいるらしいが、そんなにたくさんの人間がいったいどこにいるのかわからないくらいすべてが平べったく広がり、まだ人工的な手が加えられていない森林地帯がどこまでもつづいている。

 ノートンは、そういう土地に「こんなものをおったてるような身分になるとは夢にも思わなんだ」というような大きな家を建てた。

 いまいるところはノートンが生まれ育った町ではない。ノースウエストに引っ越してきたのはプロレスの世界に入ってからだ。ドン・オーエン・プロモーションのリングに上がるために、ピックアップ・トラックに荷物を載せて、2年まえにホームタウンのミネソタ州ミネアポリスからオレゴン州ポートランドにやって来た。

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