まるでZ型の「三遠南信道」はなぜ遠回りしてまで難所を通ることになったのか?

まるでZ型の「三遠南信道」はなぜ遠回りしてまで難所を通ることになったのか?

兵越峠

 “酷道”152号線に沿って、三遠南信自動車道の一部開通区間・矢筈トンネルと喬木(たかぎ)インターの異空間ぶりを前回お伝えしたが、そこから南、国道152号線の道路整備状況は良好だ。酷道どころか気持ちのいい快走路となる。

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1370609

 というのも、この区間は三遠南信道を新たに建設せず、「現道(国道152号線)を改良し活用することで早期ネットワーク完成を目指す」とされたからだ。幅員が狭隘だった区間には、バイパスが完成している。交通量を考えると、全線開通後もこれで十分。賢明な判断だ。この地域は”遠山郷”と呼ばれ、「下栗の里」などの観光資源も少なくない。「道の駅遠山郷」には日帰り温泉などの施設も充実しており、のんびりした風情に癒される。

 “酷道”は青崩峠が近づくと復活する。なにせ国道自体が途切れており、その区間は兵越(ひょうごえ)林道へ迂回しなくてはならない。

 兵越峠は、かつて武田信玄が最後の上洛を目指した際に越えた峠だが、そのあまりの険しさに、「なぜわざわざこんなところを?」と思わざるを得ない。信玄には本当に上洛の意思があったのか。単に浜松城など家康の本拠を脅かすことが目的だったのでは?など、高速道路とは関係ない歴史のほうに思いが飛んでしまう。

 この兵越峠のてっぺんでは、毎年10月の第4日曜日、遠州軍対信州軍による「峠の国盗り綱引き合戦」が行われている。

1 2 3 4 次へ

関連記事(外部サイト)