丸山ゴンザレスが語る、フィリピンの麻薬戦争とスラム街の人々「雑貨を売る、麻薬を売る、それが日常」

丸山ゴンザレスが語る、フィリピンの麻薬戦争とスラム街の人々「雑貨を売る、麻薬を売る、それが日常」

危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏

「みんな日々の生活で精一杯なので、政治のことまで考えている余裕なんてないんです」

 現在、5人に1人が貧困状態にあるフィリピン。首都マニラは東南アジア最大規模のスラム街を擁する。犯罪が絶えず、麻薬が人々の生活に根付いているとも言われている。

 そして、いまもなお多くの死者を出し続けているドゥテルテ大統領の“麻薬戦争”。そこにある警察の汚職と麻薬を扱う者たちの日常、恐怖心を描いた映画『ローサは密告された』。今回はその公開にあたり、危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏が登場。フィリピンの麻薬戦争や警察の腐敗、スラム街の実情を語った。

◆麻薬戦争、警察の汚職…フィリピンの現状とは

 7月24日、就任から2年目を迎えたドゥテルテ大統領が演説を行い「国際社会や国内の批判があろうと戦いはやめない」と麻薬戦争の続行を宣言した。

 まずは、フィリピンの麻薬戦争を振り返ってみたい。ドゥテルテ大統領が、昨年7月の就任時に公約として「麻薬と犯罪を半年以内に撲滅する」と麻薬戦争を掲げた。こうして、密売人はもちろん、容疑者や使用者を容赦なく殺害するという強硬策に出る。「逆らう者が望むなら、与えるのは死だ」。わずか1年間で約八千人を大量虐殺。街中には平然と死体が横たわる。過去に日刊SPA!では、その凄惨な様子の写真ルポを掲載した。

 フィリピンの警察には“黒い噂”が絶えない。捜査の名のもとに、押収した麻薬の横流し、密売人を恐喝して私腹を肥やす……バレそうになれば、暴力や殺人もいとわない。

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