WWEスーパースターズは東京から名古屋へ――フミ斎藤のプロレス読本#063【WWEマニア・ツアー編エピソード3】

WWEスーパースターズは東京から名古屋へ――フミ斎藤のプロレス読本#063【WWEマニア・ツアー編エピソード3】

『フミ斎藤のプロレス読本』#063WWEマニア・ツアー編エピソード3は、東京から名古屋へ移動したWWEスーパースターズのおはなし。ブレット・ハートがラーメン屋さんで注文したのは“みそ野菜ラーメン”だった。(写真はWWEマニア・ツアーのオフィシャル大会パンフレット表紙から)

 199X年

 東京から名古屋に向かう新幹線“ひかり109号”は、午前10時31分発。総勢40人を超すWWEのツアー・グループは、時差ボケのような寝不足のような顔でグリーン車に乗り込んできた。

 “WWEマニア・ツアー”の初日となった前日の横浜アリーナ大会の観客動員は、予想を大きく下回った。収容人員1万7000人のアリーナが半分も埋まらなかった。

 “ヒットマン”ブレット・ハートがいる。“マッチョマン”ランディ・サベージがいる。ジ・アンダーテイカーがいる。ヨコヅナもバンバン・ビガロもいる。新幹線のなかがこの空間だけWWEスーパースターズのドレッシングルームになってしまったかのようだった。

 もちろん、だれもリングコスチュームなんて着てないし、“怪奇派”アンダーテイカーはメイクをしていない。車両はほとんど貸し切り状態だから、みんなリラックスしている。

 プロレスラーは永遠の旅行者なのだ。1年じゅう旅をしているから、そこがトーキョーであっても、ロンドンであっても、生活のリズムはいつもいっしょだ。仕事道具一式と生活必需品のすべてをひとつのスーツケースにまとめる術を身につけている。

 ツアー・メンバーは家族のようなもので、ホテルはみんなが住むお屋敷。ちょうどいい距離とバランスを保ちながら、ひとりひとりがそれぞれの旅をつづけていく。

 ほかのレスラーたちからちょっと離れて、ボブ・バックランドが窓側の席にひとりで座っていた。

1 2 3 4 5 次へ

関連記事(外部サイト)