レイヴェンはとびきり不良でとびきりハードロック――フミ斎藤のプロレス読本#112【ECW編エピソード04】

レイヴェンはとびきり不良でとびきりハードロック――フミ斎藤のプロレス読本#112【ECW編エピソード04】

『フミ斎藤のプロレス読本』#112 ECW編エピソード4は、とびきり不良でとびきりハードロックなレイヴェンの心の叫び(Photo Credit:Linda Roufa)

 199X年

 レイヴェンは、オフスプリングの“カム・アンド・プレイCome And Play”という曲に乗ってリングにやって来る。

 “カム・アンド・プレイ”はストリート・ギャングの争いに巻き込まれて死んでいくストリート・キッズのはかなさ、悲しさを歌ったグランジ・ロックである。

 学校やネイバーフッドで少年たちがつくっているちいさな社会はずいぶん荒れている。レイヴェンというレスラーのキャラクター設定はそのあたりにある。

 レイヴェンRavenとは“真っ黒なカラス”“渡りガラス”。“略奪する”とか“(えさを)あさり歩く”とか“ガツガツ食う”といった意味の動詞としても用いられる。

 いつも着ているのは黒のライダース系の革ジャンとハサミで切ったデニムのショーツ。インナーは袖を肩のあたりから切り落としてタンクトップの形にしたハードロック系の黒のTシャツで、腰にはボロボロのネルシャツを巻いている。

 コスチュームらしいコスチュームは、グランジのふだん着だけ。ゴングが鳴るとTシャツとデニムだけで闘う。試合のベーシックな動きは殴る、蹴る。こだわりの必殺技は、ジェイク“ザ・スネーク”ロバーツのそれにインスパイヤされたというイーブン・フローDDTだ。

 ここにたどり着くまでに8年という時間を要した。プロレスを習った場所はラリー・シャープ主宰の“モンスター・ファクトリー”。

 テネシー、フロリダ、オレゴン、ダラスGWF、WCW、WWE、全日本プロレス、W★ING。

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