自称リベラルおじさんの矛盾と功罪【鈴木涼美】

自称リベラルおじさんの矛盾と功罪【鈴木涼美】

リベラルおじさんの好きな東京新聞ですが、私は同社の社会部の記者さんとデートした思い出しかないよ

【衆院選スペシャル 自称リベラルおじさんの矛盾と功罪】

 枝野幸男氏の奮起によって、今回の衆院選ではリベラルという言葉をちょいちょい耳にする機会が増えた。私自身は当然自分を政治的にはリベラルな立場だと考えているものの、リベラルと名のつくものに対して微妙な不信感も持ち合わせている。大体、リベラルという英語が良くない。寛大であるとか気前よく分け与えるという印象が強くて言葉のイメージが良すぎる。そしてリベラルなおじさんは大抵、キャバクラに来ても気前がよくない。おそらくトランプ米大統領の方がよほど気前は良い。

 私がやや肌のツヤに衰えを感じだした29歳の新聞記者だった頃、とある講演会で出会ったパコ山さんというおじさんがいた。おじさんと言っても見た目にそれなりの色気が残る40代で、出張帰りなのかただ単に荷物が多い人なのか知らないがリモアの小さいスーツケースをコロコロ言わせて近づいて来て、別に必然性もないのに名刺をよこした。別になんの義理もないが、30歳を手前にして自分の値段暴落前夜だと悲観していた私は、愛想よく自分の名刺も出し、講演会の報告を電話で先輩に伝えたところ、もう一度リモアおじさんが近づいて来て、なぜか彼の車に同乗させてもらえることになった。

 その講演会というのがとある首長を支援するとある人権派弁護士のものだったのだが、客席を見渡すと原発反対派の集会とやや人かぶりしているような、まぁ平たくいうと資本家と自民党と既得権益が嫌いで貧乏人やマイノリティの権利にうるさそうな人たちの集まりだった。

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