大きさは2倍、毒の量は10倍…スズメバチより凶暴なオオスズメバチが都市部で増加中

大きさは2倍、毒の量は10倍…スズメバチより凶暴なオオスズメバチが都市部で増加中

スズメバチ駆除を手がける松丸雅一氏が、焼酎に漬けて保存していた(左)オオスズメバチと(右)コガタスズメバチ。サイズと毒性がまったく違う。

 毎年秋を迎えると、スズメバチによる刺傷事故が連日のように報道される。人的被害を出す生き物として被害数が圧倒的に多いのは、実はこの小さな昆虫なのだ。スズメバチ被害の実態を専門家3人に聞いた。

◆この秋は[殺人蜂]に警戒せよ! オオスズメバチが街にやってきた

 9月11日、愛媛県大洲市で車椅子に乗っていた老婆がスズメバチに約50分間にわたって襲われ、全身150か所を刺されて死亡する悲惨な事故が起きた。救急隊員が駆けつけた頃には、ハチの大群が被害者の周りを取り囲み、接近不能だったという。

 9月から11月にかけて、日本各地でスズメバチによる被害が発生しており、毎年20人ほどが命を落としている。人間と比べればはるかに小さなハチが、どうやって人を殺すのか。スズメバチ研究の第一人者である、玉川大学農学部教授の小野正人氏に話を聞いた。

「スズメバチが針から注入する毒液には、タンパク質を分解する酵素、激痛を引き起こす成分が含まれています。これを何度か刺されるうち、人体には毒に対する抗体ができます。その状態で刺されると、ハチ毒の急性アレルギー反応のひとつであるアナフィラキシーショックを発症して、血圧の低下や呼吸困難に陥り、最悪、死に至る場合もあります」

 秋に刺傷被害が集中するのは、スズメバチのライフサイクルと密接に関わっているという。

「スズメバチの巣では大量の新女王バチが育てられており、その栄養を支える働きバチの個体数と活動量は、秋が深まる頃にピークを迎えます。

1 2 3 4 5 次へ

関連記事(外部サイト)