“関節技の鬼”藤原喜明「プロレスはセックスみたいなもの。裸のつき合いは深い」――最強レスラー数珠つなぎvol.15

“関節技の鬼”藤原喜明「プロレスはセックスみたいなもの。裸のつき合いは深い」――最強レスラー数珠つなぎvol.15

“関節技の鬼”藤原喜明「プロレスはセックスみたいなもの。裸のつき合いは深い」――最強レスラー数珠つなぎvol.15の画像

「藤原敏男先生の紹介じゃなきゃ、こんな取材、受けねーよ」

 藤原喜明は開口一番、そう言い放った。背筋が凍った。どうしよう。どエラいところへ来てしまった。逃げ出したい気持ちをグッと堪え、取材を進める。子供の頃の話、プロレスとの出会い、カール・ゴッチとの思い出、飼っていた犬の話、趣味の陶芸の話――。分刻みに、藤原の表情が和らいでいった。ああ、なんて素直で分かりやすい人なんだろう。

 「ちょっと待ってて」と言って席を外し、しばらくすると大量のスクラップブックを抱えて戻ってきた。トレーニングの記録、新聞の切り抜き、白黒写真の数々。「俺も写真、撮ったんだよ」と、アルバムを広げる。女性のヘアヌードだ。めくると、なぜか藤原も一緒に全裸で写っている。「このネエちゃん、ムスッとしてっからさ。俺も脱いだわけよ。一人でスッポンポンじゃ、嫌だろうから。そしたらほら、ニッコリしてるだろ?」。この豪快さと無邪気さを前に、ニッコリしない人間がいるだろうか。

 関節技の鬼――。その異名とはまた別の、藤原喜明の素顔はとても温かかった。

【vol.15 藤原喜明】

――ご出身は、岩手県の農家なんですね。

藤原喜明(以下、藤原):農家の長男ですよ。親父はとび職だったんだけど、酒乱でね。ぶん殴られてばっかりいた。いつかこの親父を殴ってやろうと思って、相撲ばっかり取ってたよ。無口だったけど、喧嘩はふっかけられればしたかな。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次へ

関連記事(外部サイト)