「ビビアンは私たちの女神」ブラックビスケッツ20年ぶり復活、台湾での知名度・人気は?

「ビビアンは私たちの女神」ブラックビスケッツ20年ぶり復活、台湾での知名度・人気は?

12月1日、新宿に訪れたことを報告するビビアン・スー。画像は、Instagram(@vivianhsu.ironv)より

◆アジア進出を目標に掲げていたブラックビスケッツ

 人気番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系)の企画内で生まれた音楽ユニット「ブラックビスケッツ」が約20年ぶりに再結成、12月3日夜に放送予定の『ベストアーティスト2022』に出演すると発表された。

 かつては『NHK紅白歌合戦』にも出場するなど、一大ブームを巻き起こした「ブラビ」。メインボーカルを務めるビビアン・スーは台湾出身、ブラビはアジア進出を目標に掲げて活動していたが、実際に台湾の現地ではどのような存在だったのか。

◆ビビアンがSNSで発表「時機到了!(今がタイミングだ!)」

 台湾で12年以上暮らした筆者の友人たち(30代~40代)は、今でも台湾でカラオケに行くとブラビの名曲「Timing」を唄い、大いに盛り上がるという。

 11月末、ビビアンがInstagramやFacebookなどのSNSで「時機到了!(今がタイミングだ!)」とヒット曲のタイトルに重ねて「黑色餅乾(ブラックビスケッツ)」再結成と番組出演のために東京へ行くと発表すると、台湾のフォロワーたちも沸き上がった。

 台湾の国営通信「中央社CAN」をはじめ、各メディアも「黑色餅乾解散23年宣布復活(ブラックビスケッツ解散23年で復活を宣言)」などの見出しで、一斉に再結成を報道している。

◆台湾・大葉高島屋の“ブラビ”プリクラ機に大行列

 まだインターネットでの音楽や番組配信がなかった1990年代、台湾で日本の情報や流行を知るためのメディアはテレビが中心。「ウリナリ‼」は当時、台湾で「火焰大對抗」のタイトルと中国語字幕を付けて放送され、小中学生たちに大人気の番組だったという。

「完全にウリナリ世代」と自称する台湾の30代の友人は、当時のブラビ人気をまるで昨日のことのように回想する。

「日系デパートの大葉高島屋が、台北で日本人が多く暮らすエリア・天母にできたのが1992年。その大葉高島屋に、ブラビの台湾限定フレームのプリクラ機が登場したんです。ものすごい人気で、当時小学生だった私も並んで撮りましたよ。

 ブラビの台湾デビューが決まり、『ウリナリ‼』の台湾ロケでその大葉高島屋に来たときは、もちろん私も見に行きました。人だかりができて大騒ぎのなか、“ブラビと一緒にプリクラを撮りたい人〜?”と聞かれて手を挙げたら選ばれて。撮ってもらえたのは本当に良い思い出です!」

◆台湾ウリナリ世代の女性「ビビアンは私たちのアイドルで女神」

 今年9月、ビビアンは台北アリーナで開催したソロコンサートでもブラビの曲を披露した。会場の「台湾ウリナリ世代」は大喜び。当時の興奮が呼び覚まされる。

 ビビアンと同い年(47歳)の女性は、「いつもきれいで明るく、ボディメイクも怠らない彼女は私たちのアイドルで、女神よ」と言い切る。

 台湾でアイドルグループの一員としてデビューするものの成果が出ず、一念発起して訪れた日本での番組出演・挑戦が大成功。キャリアアップして台湾に戻ってからは俳優や歌手として活躍を続け、プライベートでは結婚や出産も……。

 年齢を重ねながら今も可愛らしく輝き続けるビビアンを、同世代(ウリナリ世代)の女性たちは自らの人生の「タイミング」とも重ね、彼女を見守り、憧れ、そして応援し続けているのだそう。

◆台湾人にとっても明るいニュース

 日本の文化に親しんでいる台湾の人たちには、一年に一度の『NHK紅白歌合戦』に出場する意味と重みもよく知られている。

 台湾でも毎年放送されるその紅白に「黑色餅乾」のメインボーカルとして出場を果たしたビビアンは、テレサ・テン、ジュディ・オング、オーヤン・フィーフィーと、台湾から日本へ渡って成功した三大スターに続く、90年代の新たなスターとして一目置かれていたという。

 台湾では12月より、海外からの入境人数制限や屋外でのマスク着用義務が撤廃され、再び何かの行動を起こす「タイミング」。ブラビの代表曲のタイトル通り、コロナ禍を経て東京へ飛び、ブラビを再結成して歌うビビアンの報告は、旅行や交流の再開を待ちわびる台湾の人たちにも明るいニュースとして興奮の渦を巻き起こしているようだ。

<取材・文/mimi>

【mimi】
ライター/コーディネーター。香港に20年、台湾で12年暮らし、台湾や香港の現地情報発信、取材、翻訳など。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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