24時間営業のファミレスは壊滅状態。首都圏にギリギリ残っているお店を数えてみた

24時間営業のファミレスは壊滅状態。首都圏にギリギリ残っているお店を数えてみた

24時間ファミレス壊滅状態か

24時間営業のファミレスは壊滅状態。首都圏にギリギリ残っているお店を数えてみた

2023年現在でも「24時間営業」に積極的なジョイフル

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

◆24時間営業飲食店が激減した今、やっている店は?

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。

 私は、“快適さ”を求めて徹底的に工夫するのが好きなのですが、都内に住んでいると、深夜に活動することが最も“効率が良い”思うことがあります。

 東京は人が多いため、日中は店も道も混雑する一方、深夜になると“店も道もガラガラ”となるわけです。

 そうすると、深夜にクルマで「行きたいところに行く」ということがストレスなく実施でき、「今日はあれが食べたいからあの店に行こう」などと柔軟に行動できるといえます。

 また、空いている時間帯の店内であれば、仕事や勉強も、まわりに迷惑かけずにでき、実際そういった使いニーズでファミレスに来ている(と思われる)お客さんは、私が見ただけでも多数派という印象でした。

 しかし今、深夜営業を行う店舗は激減。特に24時間営業となると、その数は極端に減っており、かつてのように「どの店に行こうか」という選択肢は極端に狭まっている状態なのです。

◆「脱・深夜営業」という潮流

 24時間営業の飲食店が減り始めたのは、2019年から2020年になる頃だったわけですが、私は2019年11月の記事「24時間営業のファミレスがない唯一の県はどこ?」で24時間営業のファミレスを調査。その際、秋田県を除く全都道府県に「24時間営業のファミレスが存在している」ということを確かめたわけです。

 しかし、今では、大都市東京においても24時間営業のファミレスは“ほぼ無い”事態となってしまっている状態に変化。

 2019年末時点で「脱・深夜営業」トレンドがあったわけですが、そこに新型コロナによる緊急事態宣言が拍車をかけ、一気に「脱・深夜営業」が広まり、今となっては深夜を行う飲食店は少数派となっているわけです。

 ということで今回は、2023年時点で、24時間営業している貴重なお店(チェーン店)に焦点を当てて見たいと思います。

◆2019年頃までの24時間営業事情

 当時、24時間営業に積極的だったファミレスは、

ジョナサン(すかいらーく系の関東近郊ブランド)
デニーズ
・ジョイフル

 というラインナップでした。

 それより前の段階では、上記に「ロイヤルホスト」が加わったわけですが、ロイヤルホストは2015年頃を境目に24時間営業店舗が激減。かつて24時間営業だった店舗は、2019時点で深夜0時までの営業というスタイルとなっていました。

 ロイヤルホストが無いとはいえ、ジョナサンとデニーズが24時間営業に積極的だったため、東京都内では「24時間営業の選択肢が多い(そこら中に24h営業ファミレスがある)」という状態だったといえます。

 ちなみに、ジョナサンと同じすかいらーく系のガストは、2019年当時、深夜2時まで営業の店舗が多く、24時間営業店は少数派でした。

 また、サイゼリヤとココスは、だいぶ前から深夜2時までの営業店舗が多数派という傾向があり、2019年時点でもそれに違いはなかったといえます。

◆専門店系チェーンの深夜営業事情は?

 さらに、ハンバーグや焼肉といった専門店系チェーン店としては、関東では焼肉チェーンの「安楽亭」が深夜営業に積極的で、深夜4時や5時まで営業という店舗が多く存在しました。なお、びっくりドンキーも深夜時間帯まで営業する店舗が多い傾向で、北海道地区に限っては、「24時間営業ファミレスはびっくりドンキー一択」という状態でした。

 そして、ファミレス以外の飲食店としては、牛丼系(吉野家・松屋・すき家)とマクドナルド、またラーメン店全般が深夜営業に積極的だったといえます。

 余談ですが、マクドナルドはかつて22時までの営業が一般的で、24時間営業はおろか、深夜の時間帯に「やっている」という感覚はありませんでした。それが変化したのは、原田泳幸氏が社長だった時代の2006年。ドライブスルー店舗の多くで24時間営業を実施し始め、それ以降「マクドナルドは24時間食べられる」という状態が続いているわけです。

◆2023年の深夜営業事情

 では、2023年の24時間営業事情はどうなっているかというと、24時間営業に積極的なファミレスは以下の通り。

・ジョイフル(のみ!)

 2019年時点では、上記にジョナサンとデニーズがあったわけですが、今では「ジョイフル一択」という状態。さらに、ジョナサンとデニーズは24時間営業をやめただけでなく、23時閉店という店舗が多くなっており、深夜帯(0時以降)に営業している店舗は「ほぼ無い」のです。

 また、2019年時点で「深夜2時まで営業が多数派」という状態だったガストとサイゼリヤも、今となっては23時前後で閉店という店舗が多い状態。特にサイゼリヤの閉店時間は早くなっており、21時や22時が閉店というお店が多いように感じます。

 ただ、その一方でココスは、深夜2時まで営業するという店舗が多く、2019年と今とで営業形態が変わっていないといえます。また、びっくりドンキーも2019年時点と基本的に変わっていない印象。深夜0時過ぎまで営業する店舗が多く、北海道地区に限っては「24時間営業店舗が残っている」という状態であります。

 そして、ファミレス以外では、2019年まで「24時間営業が当たり前」という印象があった牛丼系でも、吉野家が「脱・24時間」という雰囲気になっています。また、深夜営業に積極的だった焼肉の「安楽亭」も営業時間が短くなっており、23時閉店といった店舗が多くなっている印象です。

◆24時間営業するファミレスは壊滅状態

 その結果、現在では、日本を代表する大都市、東京ですら、24時間営業する飲食店は「限られる」という状態になっているわけです。特にジョイフルが東京23区に実店舗を出店していないため、ファミレスに関しては24時間営業は壊滅状態。

 現在、東京近郊で深夜営業の飲食店に行こうと思ったら、
・マクドナルド
・松屋
・すき家
・ココス(深夜2時まで営業が多い傾向)
・富士そば
・ラーメン店全般

 という選択肢が基本。“そこら中に店舗がある”という観点では、「マクドナルド/松屋/すき家」という3つの選択しか、24時間営業飲食店が無いという状況だといえます。

 2019年までであれば、上記に加えて、
・吉野家
・ジョナサン
・デニーズ
・サイゼリヤ(深夜2時まで営業が多い傾向)

 がたくさんあるという状況だったわけですから、深夜営業飲食店の選択肢はずいぶん減ったといえるのです。

◆東京近郊で現在、深夜営業している店は?

 このように、深夜営業の店舗が少数派になってしまった今、東京近郊で「深夜にやっているお店はどこか」ということを著者自身のためにもまとめておきたいと思います。

<大手ファミレス系>
・ココス
以下は24時間営業店舗
―東京イン店(現在東京23区で唯一の24時間営業ファミレス)
―草加店(埼玉県)

・びっくりドンキー
以下は深夜3時までの営業
―八王子店(東京都)
―下戸田店(埼玉県)

・ジョイフル
以下は24時間営業店舗
-埼玉春日部店(埼玉県)
―狭山店(埼玉県)
―桶川店(埼玉県)
―熊谷店(埼玉県)
―坂戸入西店(埼玉県)
―上尾店(埼玉県)
―白井店(千葉県)
―茂原店(千葉県)
―千葉おゆみの店(千葉県)
―四街店(千葉県)
―小見川店(千葉県)

中華料理チェーン
・南京亭/東京亭
このチェーンは全店24時間営業!
―昭島店(東京都)
―あきる野店(東京都)
―瑞穂店(東京都)
―国立店(東京都)
―新所沢店(埼玉県)
―日高店(埼玉県)
―八王子新滝山街道店(東京都)
―東大和店(東京都)
―狭山ヶ丘店(埼玉県)
―新青梅街道店(東京都)
―相模原橋本店(神奈川県)
―川越店(埼玉県)

ラーメンチェーン
・一蘭
【駐車場なし】
―アトレ上野山下口店(東京都)
―新橋店(東京都)
―渋谷店(東京都)
―新宿中央東口店(東京都)
―新宿歌舞伎町店(24時間)(東京都)
―池袋店(24時間)(東京都)
―下北沢店(東京都)
―吉祥寺店(東京都)
―立川店(東京都)
―横浜西口店(神奈川県)
―横浜桜木町店(神奈川県)
―川崎店(24時間)(神奈川県)
―千葉店(千葉県)
【駐車場あり】
―相模原店(神奈川県)
―平塚店(神奈川県)
―千葉出港店(千葉県)
―柏店(千葉県)
―東大宮店(埼玉県)

・どうとんぼり神座
―新宿店(東京都)
―渋谷店(東京都)

・山岡家
―さいたま宮前店(埼玉県)
―川島店(埼玉県)
―越谷レイクタウン店(埼玉県)
―狭山店(埼玉県)
―松戸北小金店(千葉県)
―相模原店(神奈川県)
―厚木店(神奈川県)
―平塚店(神奈川県)
等多数

そば
・富士そば
―ほぼ全店深夜営業を実施している

・ゆで太郎
以下24時間営業
【駐車場なし】
―入船店(東京都)
―芝浦4丁目店(東京都)
―西五反田本店(東京都)
―西五反田2丁目店(東京都)
―Tokyo-Bay東雲駅前店(東京都)
―池袋2丁目店(東京都)他多数
【駐車場あり】
―環七西瑞江店(東京都)
―瑞穂店(東京都)
―吉野町店(埼玉県)
―戸田新曽南店(埼玉県)
―新座野火止店(埼玉県)
―新港店(千葉県)
―馬橋店(千葉県)
―南行徳店(千葉県)
―東鎌ケ谷店(千葉県)
―16号野田泉店(千葉県)
―寒川店(神奈川県)
―横浜中田東店(神奈川県)
―厚木西インター店(神奈川県)
―大和深見東店(神奈川県)
―相模原小町通店(神奈川県)

その他深夜営業チェーン
・マクドナルド
・松屋
・すき家

 以上、2023年現在、深夜営業を行っている飲食店(チェーン店)をまとめてみたわけですが、都内エリアからクルマを30分ぐらい走らせれば、かろうじて「選択肢がある」といった状態だといえます。

 クルマで移動するという方は、ドライブがてらに、上記深夜営業店を目的地にしてみてはいかがでしょうか?

 ただ、今後も深夜営業が減るというトレンドが続いたならば、今回まとめたお店も「数年後には、深夜営業していない」ということになるかもしれません。そういった意味では、今回の記録が、あと数年後に「どうなるか」も気になるところだと思います。

※営業時間などは2023年1月19日時点。筆者の独自調査であるため、正確性の保証はできません

<文/斉藤由貴生>

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―

【斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

関連記事(外部サイト)

  • 1

    快活クラブさんとか、活躍中だしな

すべてのコメントを読む